みんなの森づくり講演会(旧森づくりシンポジウム)
地球規模で水害や干ばつ等と自然環境の激変を感じて大変心配な状況となってきています。このような時期に、森を育て守る活動を続けるわれわれボランティアの各団体の活動を皆さまに知っていただき、自然や環境に関心を持っていただき、今後この地球に暮らしていく子供たちや、さまざまな動植物に少しでも住み良い環境を残していけることになるのではないかと思いから、森づくりシンポジウムを開催しています。平成25年度から、「みんなの森づくり講演会」に名称を変更しました。
「薬草で健康づくり〜山は薬草の宝庫〜」村上光太郎氏(崇城大学薬学部教授)
「森林環境税を活用した森づくり」木正博氏(宮崎大学農学部准教授)
日時:平成26年10月5日13時〜15時40分
参加者:130人
場所:宮崎県立図書館
折しも台風が宮崎県に近づき講演会を開催するか否かを関係者で協議をしました。台風の進路などを考え、講演会がはじまる午後は、これ以上暴風が強くならないであろうと判断して開催することになりました。
講演会の詳細は、「森づくり通信新2号」に詳しく紹介しています。
平成25年10月6日
会場:宮崎県立図書館2階研修ホール
事例発表:大塚台緑化里山整備実行委員会 、MFV会
講演:全国各地の源流を歩き森と川に学ぶ〜大淀川で育ち源流人生を謳歌する〜(中村文明さん)
森林の大切さ、川の大事さの啓発活動をすすめている中村文明さんは、多摩川の源流となる支流のほとんどを歩き調べた方で、多摩川源流研究所の所長で、NPO法人全国源流ネットワークの代表です。
その昔、人口100万人の江戸の水を賄うために多摩の自然林を徳川幕府が守り続け今に至っているため、巨木巨樹が一番多く残っているのが東京都(多摩川源流域)だそうです。当時の政府は森林の大切さを十分に解っていたようですが、現在の政府はどうでしょうか。
森は、雨を貯水し少しずつ川へ流します。川は海へと水を運びます。海は水蒸気となり再び森に雨が降り注ぎます。森・川・海どれかが欠けることがあれば、水の循環は上手くいかなくなり、私たち人間を含む多くの命を育むことができなくなります。次の世代により良い自然環境を残さなくてはと改めて決しました。キーワードは、「水は命、森は源、川は絆」です。
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中村文明さん(全国各地の源流を歩き森と川に学ぶ) | 事例発表(大塚台緑化里山整備実行委員会) |
(子どもの森HPより一部抜粋)
平成24年11月25日
会場:宮崎県立図書館2階研修ホール
共催:宮崎県立図書館
後援:宮崎県、宮崎県緑化推進機構
事例発表:高千穂森の会、ロキシーヒルの会
講演:虫の目で見る自然(昆虫写真家 新開孝さん)
参加者:約100名
![]() 会長あいさつ |
![]() 事例発表:高千穂森の会代表興侶さん |
![]() 事例発表:ロキシーヒルの会事務局二宮さん |
![]() 講演:「虫の目で見る自然」新開孝さん(昆虫写真家) |
![]() 講演聴講の様子 |
![]() 新開孝さんとスタッフの記念撮影 |
講演「虫の目で見る自然」の内容 | |
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新開孝さんの著書には、ヤママユガ観察事典、珍虫の愛虫記、里山大百科(共著)、カメムシ観察事典、里山昆虫ガイドブック、虫の飼いかた・さがしかた(共著)、里山蝶ガイドブック、虫たちのふしぎ等があります。
新開孝さんのHP → http://www.shinkai.info/menu/index.html
東日本大震災や福島原発事故、新燃岳の噴火などの災害が相次ぐ中、緑豊かな森を育て守ることの大切さを認識するために、みやざき森づくりボランティア協議会が主催する「森づくりシンポジウム」が、宮崎県武道館で開催されました。
「神話に学ぶ災害からの復興〜森の破壊神から守護神になったスサノオ〜」をテーマに、大阪在住で勤務医で小説家の石黒耀さんの講演がありました。神話の中には、自然災害を物語にして後世に語り伝えるものが多くあるとの話がありました。沖で漁をしていた漁師が村に戻ってきたら自分の住んでいた村がなかったことが、浦島太郎物語として神話になった。おそらく、地震による地殻変動で陸地が海に沈んだと考えられる。海彦山彦の話で海彦が洪水に呑まれる場面は、津波による災害だと考えられる。等、文字がなかった時代に脚色され物語となった。神話や物語をそのような観点から読んでみると、先人が未来へ伝えようとした大事なことが多くあることが理解できます。
石黒耀さんの講演の前には、「子どもの森」と「どんぐり1000年の森をつくる会」による森づくり事例発表もありました。
![]() 石黒耀さん |
![]() 森づくり事例発表 |
石黒耀さんの執筆した小説には、「死都日本(2002年)」「震災列島(2004年)」「富士覚醒(2006年)」があり、いずれもコミック化されています。
子どもの森HPより
NHK教育テレビ『趣味悠々山で元気に!田部井淳子の登山入門』に出演していた登山家の田部井淳子さんの講演の他、みやざき森づくりボランティア協議会の加盟団体の「水源の森づくりをすすめる市民の会」と「環の会」による森づくり事例発表が行われ、約260人の入場者の方々がシンポジウムに熱心に耳を傾けてくれました。
会場 酒泉の杜(東諸県郡綾町)
時間 13時〜15時
◇プログラム◇
事例発表
「水源の森づくりをすすめる市民の会」(宮崎市)
「環境ボランティアグループ環の会」(串間市)
講演
「世界の山々をめざし〜山からみた自然環境」田部井淳子(登山家)さん
質疑応答
◇講演抜粋◇ 〈森づくり通信No17より〉
世界の七大陸の最高峰を登頂し「こんな美しいところが地球にあったんだ。生まれてきてこの景色を見ることができてよかった」と思った。山の環境とゴミの問題は大きく、余分な物は持っていかず、ゴミは持ち帰る。また、森を通りながら、手入れをした森としない森の違いを感じた。南極の雪は、言葉に尽くせないくらい美しく、生きているより生かされていると感じ、これから先、きついことがあっても、この美しい風景を思い出して頑張れる。限られた時間の中で、私たちが残せるもの。私がやりたい事。生まれてきてよかったと思える人生を生き、死にたい。「明日は何かある」と思える生活を送っています。
![]() 図師会長あいさつ |
![]() 田部井淳子さん講演 |
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事例発表(水源の森づくりをすすめる市民の会前原さん、環の会河野さん) | |
![]() たくさんの入場者がありました。 |
![]() 田部井さんを囲んでのスタッフ一同記念撮影 |
主催:みやざき森づくりボランティア協議会
後援:宮崎県/宮崎県緑化推進機構/宮崎日々新聞社/MRT宮崎放送/UMKテレビ宮崎/エフエム宮崎/MCN宮崎ケーブルテレビ
長野県在住の作家で環境保護活動家のC.W.ニコルさんが講演を行ったほか、当協議会の会長圖師哲雄(ロキシーヒル代表)、当協議会の加盟団体であるどんぐり1000年の森をつくる会代表の樋口信義さんと高千穂森の会事務局の興梠克久さん(九州大学大学院農学研究院森林政策学研究室助教)によるパネルディスカッションがあり、県内外から参加した約250人が熱心に耳を傾けてくれました。
会場 宮日会館11階宮日ホール
時間 13時00分〜16時30分
◇プログラム◇
基調講演(人の心に木を植えよう) 13時〜14時20分
パネルディスカッション(森を育てる人を育てる) 14時30分〜16時30分
パ ネ リ ス ト:圖師哲雄 氏、樋口信義 氏、興梠克久 氏
コーディネータ:南村正明 氏(宮崎日日新聞社取締役)
受付横に加盟各団体のパネル展示もおこない、当協会の加盟団体の会員によりシンポジウムの全てを運営しました。
基調講演のお願いしていた作家の立松和平さんが体調不良のため来場できなくなり、多くの方のご協力でC.W.ニコル氏に変更でき予定通り開催することができました。
C.W.ニコルさんの講演では、自らをケルト系日本人と言われるニコルさんの生まれた英国と日本の森づくりの歴史背景の違いや、ニコルさんが運営しているC.W.ニコル・アファンの森財団での森の再生や心の再生、普及交流など、「森は心のふるさとである」と、とても心打たれるお話がありました。
C.W.ニコル・アファンの森財団の活動内容は、財団のホームページをご参照ください。(C.W.ニコル・アファンの財団のホームページ http://www.afan.or.jp/)
パネルディスカッションでは、当協議会の三団体の活動内容や活動理念、興梠克久さんの九大大学院での森林経済学の研究からの森づくりの考え方などがディスカッションされました。
![]() 基調講演(C.W.ニコルさん) |
![]() パネルディスカッション |
主催:みやざき森づくりボランティア協議会
後援:宮崎県/宮崎県緑化推進機構/宮崎日日新聞社/NHK宮崎放送局/MRT宮崎放送/UMKテレビ宮崎/エフエム宮崎/MCN宮崎ケーブルテレビ
平成21年1月25日
宮日会館11Fホールで、畠山重篤さんと中村文明さんを迎えて「森から海までシンポジウム」を開催しました。シンポジウムには、環境ボランティアや県民ら約200人が参加がありました。
また、シンポジウムを記念しての植樹をロキシーヒルで、宮日会館1Fで、ざぶん賞表彰と展示も同時開催となりました。
《記念植樹》
参加団体:ロキシーヒル、子どもの森、宮崎グリーンペルパーの会、水源の森づくりをすすめる市民の会(総勢20人)
ロキシーヒルにて、クヌギやヤマザクラ他100本を、シンポジウム出演者の畠山重篤さんと中村文明さん、全国森林組合連合会から虻川さん、岡田さん、それに協議会加盟団体にて植樹しました。また、今回シンポジム開催資金の助成をいただく全国森林組合連合会から2名の参加もありました。植樹した場所は、「みやざき森づくりボランティア協議会の森」となり、下草刈りを協議会加盟団体で実施して行くことになります。ロキシーヒルにて、植樹地の地ごしらえを実施してもらいました。
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《さぶん賞》 詳しくは、さぶん賞HPをご覧下さい。
シンポジウム開演前に、さぶん賞の宮崎県内受賞者の表彰を1Fギャラリーにて実施しました。さぶん賞の全国の表彰作品は、そのまま宮日会館1Fギャラリーにて、1月25日から30日まで展示されます。また、2月1日から3日には、日向市中央公民館2階ギャラリーでの展示となります。共に入場無料です。
宮日会館1Fギャラリー | 日向市中央公民館2階ギャラリー | |
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《シンポジウム記念講演》
スタッフ協力団体:ロキシーヒル、子どもの森、宮崎グリーンペルパーの会、水源の森づくりをすすめる市民の会、MFV会、ひめしゃら倶楽部
宮城県気仙沼湾でカキ養殖業を営み、京都大学フィールド科学教育センター社会連携教授を務める畠山重篤さんが「森は海の恋人〜鉄が地球温暖化を救う〜」と題しての記念講演では、
「植物プランクトンには鉄(ごく微量である)がとても大切だ。イオン化した鉄があると植物プランクトンはそれを吸収し増殖するが、もともと鉄は酸化しやすく、酸化した鉄は、植物プランクトンが吸収できません。しかし、木の葉が落ちて堆積た腐葉土の中では、バクテリアが分解する過程でフミン酸やフルボ酸という物質ができます。
このフミン酸が鉄粒子を溶かして鉄イオンにして、鉄イオンがフルボ酸と結合するとフルボ酸鉄という安定した物質になります。そうすると植物プランクトンや海草等が吸収しやすくなる」と言うことでした。
食物連鎖の一番最初の植物プランクトンが増えれば、動物プランクトンが植えます。動物プランクトンが増えれば、小魚が増え、さらに大型の魚が増えます。森から川へ、そして海にフラボ酸鉄が流れることにより、海は植物プランクトンが増えて、豊かな生態系が維持されます。いま問題になっている磯焼けも、フラボ酸鉄が増えれば、問題は解決します。
豊かな森が生み出す腐葉土は、緑のダムの役割の他にも、豊かな海をつくり出すために欠かせない養分を生成しています。
他にも、地球の温暖期と氷河期のサイクルには、鉄が影響していることも、近年の調査研究で解明されてきていることの説明もありました。
![]() 前原理事の開会あいさつ |
![]() 司会の木佐貫さん |
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基調講演〜鉄が地球温暖化を防ぐ〜 畠山重篤さん |
《パネル・ディスカッション》
パネラーの多摩川源流研究所中村さんと圖師会長の実践活動の紹介後に、前もって集めていた会場からの質問を使ってコーディネータの岩倉理事の進行でパネルディスカッションが進みました。
すぐに実行できる汚れた海の清浄対策として、使い終わった携帯カイロの中身(鉄と炭ほか)をペットボトルに入れクエン酸を混ぜれば、鉄がイオン化してクエン酸に溶け込むので、それを台所の排水口から流すと、鉄の養分で微生物が活性化して下水がきれいになることを学びました。
中村さんは「源流に親子を呼んで、源流体験をしているが、子ども頃の自然体験がとても大切。特に小学3年生、4年生のころに体験させると効果がある」と話されました。中村さん自身も、大淀川で子どもの頃、毎日のようにお兄さんについて、川遊びに行っていて、川の素晴らしさに感動した思い出がたくさんあり、これが原体験になって、源流を研究しようというきっかけになったとのことでした。
![]() コーディネータの岩倉理事 |
![]() パネラーの畠山さんと中村さん |