協議会の活動思念

 森づくりを進める中で、「何故」と想うことがある。
 自然林が豊かであった頃を良く知っている。その頃の山には、自然の恵みが一杯あった。大雨が降っても、すぐには濁水は出なかった。川ではいつでも夕食のおかずになる小魚が獲れた。

 豊かであった頃の自然林に戻すために森づくりがあると思えばいい。たくさんの自然林が蘇ることは、愛する人や子、子々孫々にまで自然の恵みを持ち続けることができる。今、問われているのは、人間と自然との共生だと思う。
 子どもたちには、森づくりを通して、自然の不思議さと神秘的なことを体感して、自分も生き物の一員として感性を磨いて欲しい。
 身近にある荒山に行って、すべての生き物に良い環境をもたらす森づくりを子どもたちと一緒に始めよう。

 環境問題で有名なアメリカのレイチェル・カーソンがそのエッセイ「センス・オブ・ワンダー」の中で「知ることは、感じることの半分も重要でない」と言っている。森づくりは、人づくりにもつながると思う。豊かな森とは、自然の循環が滞りなく行われる森だと思う。

救急救命法講習会 文責:二宮信

 9月16日(日)の午後1時より講習会を開催しました。講習内容などをお知らせします。

 今回の講習会は会員15名、講師2名(日本赤十字社宮崎県支部)で宮崎市高岡交流プラザにて開催しました。参加者のうち女性3名、男性12名でした。講師の畑島良一さんと鈴木良一さんの懇切丁寧な指導を受けて参加者も十分に実践できたのではないかと思います。
 先ず、体位交換の方法を教えていただきました。力のない人でも体を効率的に使って、安定した体位をとるように指導されました。この時に忘れがちになるかなと思ったことは、転倒の場合に脊髄の損傷があるかもしれないので、頭と首のラインをしっかりと支えて体位を変えることです。単純に仰向けにしたりは絶対にしないように心がけようと思いました。
 次に毛布を使った保温の方法を学びました。森の中ではなかなか毛布などはないと思いますが、他のものでも保温になるものがあれば利用できると思います。
 毛布だけを使った担架の作り方、そして傷病者の運び方も全員でやってみました。一枚の毛布を6人で持ち、必ずリーダーを決めてそれに従い運ぶことを教えていただきました。抱える際に頭から少し上げて全体を上げていくことや進行方向は必ず足の向いた方向でなければならないなど、傷病者の安全に気をくばりながらやることが大事だと感じました。6人の力があれば大人の男性でもあまり力を使わずに運ぶことができたようでした。
 毛布がない場合の搬送もありました。衣類と棒が2本あれば何枚か使って担架ができるのです。すごいと思ったのはシャツなどを使用する場合に服を着たまま2本の棒の先を握り、握ったままでシャツを誰かに脱がせてもらうと袖に棒が簡単に入っていきました。この方法を繰り返して丈夫な担架になるそうです。
 担架のない場合は、僅かな移動であれば、おんぶをする方法があるそうです。傷病者の腕をクロスさせてしっかりと握ることで安定します。また、リュックなどがあればそれも利用できることを教えてもらいました。

 気道異物除去の方法も学びました。
 立ってやる場合は、相手の体を後ろから支えて、背中をたたく方法。また、幼児の場合の方法を人形を使って説明していただきました。この方法でも出ない場合にはみぞおちに拳を当てて瞬間的に突き上げるという方法があるそうです。今回は研修でしたので、本当に突き上げることはしませんでしたが、これをした場合は後で医師に診てもらうことが必要だということです。内臓は大事ですのでその際は忘れないようにしてください。

 AEDを使った一時救命処理を人形とダミーのAEDを使って行いました。
 先ずは自分の安全を確認して、傷病者に近づくことが大事ということです。安全を確保したら、全体を見て出血の有無を確認します。それから本人の反応を確認します。反応がない場合は、周囲の状況によりますが、人のいる場所なら応援を呼びかけます。そして明確にAEDを持ってくる人、119番に通報する人、時間を計る人、など指示をします。その間に呼吸を確認しています。ない場合と不規則な呼吸か、普通の呼吸ではない感じなどの場合は胸骨圧迫を30回、気道確保して人工呼吸を2回(短く息を入れる)行い、AEDの到着するまで繰り返します。
 AEDが到着しても慌てずに衣服を脱がして(または切る=AEDのキットいハサミが入っているそうです)、汗や異物がついていないか、さらにペースメーカーをしている方かなどを確認してAEDを作動させます。
 あとは音声に従って、繰り返し心肺蘇生を行います。この時に行う胸骨圧迫は結構力がいり、長時間を一人で行うのは大変だと思いました。交代しながらやることがいいと言われていました。
 救急隊が来るまで行いますが、意識が戻ってもAEDは装着したままで引き渡すということです。
 実際に現場に立ち会うことはあまり無いほうがいいのですが、もしもの場合には積極的に救急活動に協力しようと思います。

 最後に三角巾を使った傷の手当についてを学びました。
 三角巾は通常一辺の長さが1メートル以上の四角形を対角線で切ったものと考えれば、いろいろな素材の布でも利用できます。
 今回は、先ず三角巾の折り方を学びました。2つ折り、4つ折り、8つ折りというように傷の範囲によって折り方を変えていけるのが特徴です。
 足首の固定、頭の傷の止血、手のひらの傷場合などを学びました。
 基本的には結び方が本結びという方法を使い、一方向を引っ張るとすぐに解けるような方法です。これがなかなか難しいことでした。

 みなさん今回の研修では、実地に体を使って学んだことで大変役に立つ研修だったと思ったことでしょう。いざという時のために何度も実地に研修することは大事だと感じたものでした。

 協力していただきました講師の先生ありがとうございました。また、忙しい中を研修に参加されたみなさんありがとうございました。

鹿児島県森林ボランティア連絡会 宮崎視察報告    文責・二宮  信

 鹿児島県森林ボランティア連絡会は毎年、今回のような視察を兼ねた研修を行われているそうです。
 現地視察にご協力をいただきました水源の森づくりをすすめる市民の会の倉爪会長、前原事務局長の用意周到の準備のおかげで、参加した皆さんもわくわくの森IIIを興味を持って見ておられたと思います。ありがとうございました。
 これから簡単ですが、視察と意見交換の会の模様を報告します。

平成30年9月3日(月)13時10分からわくわくの森III(綾町・水源の森づくりをすすめる市民の会フィールド)視察

 わくわくの森では、前原さんより平成23年の3月に植樹をして7年目ながら、すでに森になっているという感想を述べられた方がいました。実際、すでに枝も張り、下草も夏の盛りといえども少ないようでした。
 また、森のコンサートを実施するということを聞かれて、森の魅力と音楽の魅力を合わせたいい企画だという方もいました。

14:10 〜 14:40 意見交換:綾ユネスコエコパークセンター
「鹿児島県森林ボランティア連絡会」: 19名
みやざき森づくりボランティア協議会:5名(倉爪、前原、二宮、児玉、村上)
宮崎県緑化推進機構:1名 是枝

 わずか30分という時間の中で、鹿児島県との意見交換会を開催しました。
 主に今回現地を視察した水源の森づくりをすすめる市民の会への質問が多くありました。高齢化の問題について前原さんが課題として抱えていることを述べると、鹿児島の塩川さんから事業をしない団体はいちおうに高齢化していく。自分の団体は事業としても森林の活用をしているので、若い人材がいることを述べられました。この団体はチェンソーでの作業や木工を主として独自の作業班が事業としての作業をしているということでした。森づくりに関してはイベントごとに参加してもらって行っているということでした。
 鹿児島県では森の学校として平成20年からみどりの基金による事業が行われているそうです。今年は14人の参加(女性含む)で行われ、年度ごとに組織を作るというパターンがあるとのこと。
 宮崎からはMFV会の児玉さんから2004年に会を立ち上げたが、その引き金になったのが、県の後継者育成講座だったということを述べられました。現在、もう一度そのような講座を県に要請しているところだということを話されました。

 次の予定地の西米良村に向かうためにわずかな時間しか取れず、本格的な意見交換はできませんでしたが、鹿児島県の団体の意欲的な姿勢に刺激を受けました。

2018年2月16日、17日 緑のボランティア活動助成セミナー2018 会長 二宮信

開会式前・前原副会長と二宮
前原満之副会長と二宮で東京のセミナーに参加してきました。大変貴重な話しを聞かせていただきましたので、ここに報告さ
せていただきます。

まず、今回のセミナーの日程をまず紹介します。2018 年2月16 日(金)〜2月17 日(土)の2日間で東京都麹町の弘済会館にて開催されました。1 日目の主催は公益社団法人国土緑化推進機構で、2日目はNPO法人森づくりフォーラムが共催しました。

プログラム

(2月16日:第1日)
 @「緑の募金協力企業報告」 ダイドードリンコ(株)源 隆志氏、(株)ローソンの仙田靖男氏の報告。
 A「緑のボランティア活動事例報告」
  1. 森づくり×コミュニティづくり 「苫東・和みの森の挑戦」 報告者:自然体験活動指導者ネットワークえんりっと 二瓶奈津香さん
  2. 森づくり×企業や地域、学校、行政との連携を通じた取り組み 報告者:NPO 法人環〜 WA代表理事 大和文子さん
  3. 森づくり×後継者育成と継続的な取り組みのポイント 報告者:NPO 法人里山倶楽部理事 寺川裕子さん
 Bパネルディスカッション 「企業や地域との連携、会員獲得、若返りのコツを探る」  
  コーディネーター:どさんこミュゼ(株)代表取締役(元NPO法人ねおす専務理事) 宮本英樹さん  
  パネラー:二瓶奈津香さん、大和文子さん、寺川裕子さん

2月17日(第2日)
全国から集まられた参加者のみなさん

 話題提供
  「森林ボランティアの進化と変化 森づくり活動実態調査 分析結果と今後」 筑波大学大学院 富井久義氏
  「森林ボランティアの未来」 NPO法人よこはま里山研究所理事長  松村正治氏
 テーマ別セッショントーク
  「躍動する団体に共通するポテンシャルとは!?」 3つのテーマに分かれて実施
  @次世代に継ぐ森林づくりのための「企業・行政・地域との連携」 ファシリテーター:森の健康診断出前隊代表 丹羽健司氏
  A「後継者育成と継続的な取り組み」 ファシリテーター:認定NPO法人J UON(樹恩)NETWORK事務局長 鹿住貴之氏
      話題提供:NPO 法人いわきの森に親しむ会 松崎和敬氏
  B「新規参加者を獲得するためのポイント」 ファシリテーター:NPO法人よこはま里山研究所理事長 松村正治氏 
      話題提供:多摩の森・大自然塾鳩の巣協議会 小島圭二氏
 全体共有会
 閉会

以上の日程で行われました。

まず、助成プログラムについての説明があり、昨年度よりも助成の金額を見直していることを説明されました。詳しくは助成ガイド2018をご覧ください。

○ 緑の募金協力企業報告 ダイドードリンコ(株)源隆志氏の報告。
 自動販売機による飲料の販売が中心の皆さんご存知の会社です。2001年10月から緑の募金付き自販機を他社に先駆けて行われた会社です。緑の募金マークのついた自販機の売り上げの一部が募金にまわるということでした。募金だけでなく社員の参加で長野県の森に15年以上も森林の整備の活動を行っている。

○ 緑の募金協力企業報告 (株)ローソンの仙田靖男氏の報告。
 ローソンでは1992 年に募金を開始。活樹祭として一人親家庭の方に森林環境プログラムを体験してもらっている。多摩川の小菅での源流体験などを行っている。
(二宮感想)企業の取り組みとしてはダイドードリンコさんの活動はユニークだと思いました。全国に設置されている自販機で今後「緑の募金」の紹介も自販機の前で説明できるのではないかと考えた。

○ 森づくり×コミュニティづくり 苫東・和みの森の挑戦 自然体験活動指導者ネットワークえんりっと 二瓶 奈津香さん
 苫東・和みの森とは、炭焼きの林として利用されてきた2次林がそのまま放置され荒廃した森を2007年度全国植樹祭が開催され、その跡地の森を利活用しつつ守り育てていくことを目指して「苫東・和みの森運営協議会」が発足し、事務局はNPO 法人いぶり自然学校が担当している。
 発表者の二瓶さんはごく普通の子育て真っ只中の主婦だったそうです。我が子の森での体験活動を見ているうちに活動に参加するようになったとのこと。しかし、子育ての中での森へ出ての仕事はできない。そこでできることを探しているとパソコンを使った準備作業ならば、時間的に縛られないことから事務局補助のような形から、積極的に事務局に参加し、現在は自然体験活動指導者ネットワーク・えんりっとで活動をされている。
 森づくりという植樹や下刈り、間伐といった作業が中心だった森林ボランティアの活動に子供たちに森に親しんでもらうメニューを考案して「森のようちえん」(森で子供たちに遊んでもらい森の落ち葉を自然に踏みしめてもらい森づくりを手伝ってもらうもの)「モノヅクリ」(間伐材を利用した小物から薪小屋までを作る)「おやつ作り」「焚き火」「木道作り」(バリアフリーな森を作るという発想で長年取り組んできて2017 年、目標の地点まで完成されたという)
 このような仕掛けを「月に一度は森づくり」を合言葉に毎月活動をされている。そこで培われたノウハウを利用して出前授業や親子レクリエーションの内容に困っている保護者や団体などへアピールし、森づくりへの参加の動機付けに一役かっているということです。
 森づくりと縁遠い主婦だと思いきや森を使ってさまざまな教育的な活動をやられていることに驚かされました。事務局活動に積極的に関わってくれる後継者も育っていると聞き、ますます羨ましいことだと思いました。
(前原感想)「主催者側が、行事を全て指揮していないか。参加者のしたいことをさせる自由度があるか(〇〇は誰がする?)。ひいては行事が、参加者にとって自己実現の場になっているか(強制より共感)。森林整備をしたい人、子供を森で遊ばせたい人、自分自身森を楽しみたい人他いろんな人が参加して、気がつけば森づくりに 参加していたという感じの行事にしたいもの。「森とまだ出会っていない子ども」と「森」を結びつける活動。森の幼稚園等。」

○ 森づくり×企業や地域、学校、行政との連携を通じた取り組み NPO法人環〜WA代表理事 大和文子さん
 茨城県の涸沼で里山を活動拠点としている団体です。農業県としては日本一の茨城県ではあるが、農地・暮らしと山林の循環の消滅や荒廃、山林整備技術継承の消滅、自然資源継承の意識の低下など課題が多く残ります。さらにメガソーラー乱開発による大規模森林伐採も進み、平地林が消滅するのではという危機感もある。
 そこで自分たちにできることを考え、炭素排出量を減らすこと(使うもの、暮らし方を変える)や炭素吸収量を増やす(森林保全、水質保全)に取り組むことになった。そこで生態系の調和を保ち低炭素な暮らし方を見出し、地域を守りそだてる人材の育成、持続可能な循環型地域社会に寄与するという目的を打ち出し、NPO法人環〜WAの組織が作られた。
 メガソーラーの乱開発の問題は、土地所有者が森林の所有による金銭的な苦痛から逃れる一手段として森をまるごと企業に売り、開発され森林の消滅を招く結果となっている。今後は、公的な機関や国がこれ以上国土に残る森林を無用に消滅させないための画期的な施作が必要だと話しを聞いて思ったことです。このときふっと頭をよぎったのが、「木育」という最近よく使われることばでした。わたしたちは「森づくり」と名をつけての活動をしておりますが、森や自然は作るものではない、だったら「森づくり」から「森育」に言葉を変えることで今後何が活動に必要なのかが、はっきりと見えてくる気がしてきました。
 また、NPO法人環〜WAでは地域人育成に向けて環境教育の仕組みをつくることを目標とされています。フィールドで実習型の教育プログラムの開発と実施を進め、現在次の段階である指導者とプログラムコーディネーターの育成の段階にあると言われました。最終的には他地域への展開を果たして、地域性を生かした環境教育拠点を増やすことを目指しています。
 活動プログラムとしては、1里山整備(これは宮崎県でも活動しておられる団体があります)2里山循環型農業(野菜作り、落ち葉堆肥、竹パウダー、もみ殻、もみ燻炭による)3環境教育(学校、企業、自治体、自治会を対象に目的に応じてオリジナルプログラムを企画提供している)4普及啓発(アースディに毎年出展)5涸沼でのネイチャーガイド、観察会6史跡等保全7被災地支援というように多岐にわたった活動です。特に企業や団体などとの連携は70数団体とのことでした。

○ 森づくり×後継者育成と継続的な取り組みのポイント NPO法人里山倶楽部理事 寺川裕子さん
 里山倶楽部は大阪府南河内郡河南町の民有林を24ha をフィールドとしている団体です。1989年から活動を開始(前身団体)し、1995 年に設立されました。現在、役員12 名、会員約150 名が予算規模3000万円で活動をされています。
 里山保全、生産販売、環境教育などの事業の他、人材養成講座、木質バイオマスエネルギー利用、オーダーメイド型活動・研修などなど多岐にわたり活動されています。
 注目したのは、生産販売事業で薪炭、無農薬野菜、米、桜チップなどの農産物の販売とや企業や団体などに講師派遣をされている点でした。
 そもそも活動のコンセプトが「好きなことして、そこそこ儲けていい里山をつくる」ということなので、今までの森づくりボランティアの考え方にさらに金銭的なものが新たに入ってきたのだなあと、時代の転換期にさしかかっていることを実感する言葉でした。儲けも赤字も自分もちということで事業は独立採算性で行われる。そして、事務局に収入の5〜10%の共同運営費を支払うシステムで、儲けた分は各グループで自由に使用し、赤字の場合もグループ持ちという。このシステムでは、NPO法人自体の赤字はないのだと言われました。ただし、このやり方で個人個人のモチベーションは高くなり、活動も活発になっていると思われます。
 寺川さんが次の世代に望むものは、組織ではなく里山を引き継ぐ、里山という資源を引き継いでほしいという話しが印象に残りました。
 ボランティアが金銭抜きの本当の自己犠牲で行っていた時代から、自己実現のために有償でかつ楽しんで森林環境を楽しむ時代になったことが、寺川さんの話しを聞いて思いました。
(前原感想)「主催者がお膳立てしたものだけでなく、多彩な会員のニーズに基づく行事をさせる(会員の得意分野の発掘)。極端な話、野菜作りをわくわくの森Vの広場の一部を畑に・・・。」

○ パネルディスカッション 企業や地域との連携、会員獲得、若返りのコツを探る
宮本英樹さん

  コーディネーター:どさんこミュゼ(株)代表取締役(元NPO法人ねおす専務理事) 宮本英樹さん
  パネラー:二瓶奈津香さん、大和文子さん、寺川裕子さん
 まず、コーディネーターの宮本英樹さんのどさんこミュゼの紹介がありました。200haの山と30haの農地を持つ企業との連携で活動しておられます。森林の伐採木の運搬に地元北海道の馬・ばんば(馬)を使い、草はどさんこ(馬)にやってもらうという動物文化の継承と保存という意味でもこの取り組みはユニークなものと感じます。
 最近では保育園やメイプルシロップの採集、薪で作るピザなどを作り、木育にも力をいれられています。そんなユニークな宮本さんのコーディネイトにより、権限委譲(エンパワーメント)によるステップアップの仕組みとは何かをパネリストに投げかけました。
 寺川さんは自分たちの団体はいきなり権限委譲をしている。それはやりたい人がやるということ。しかし、すでにある枠組みの中での活動を運営としてサポートしている。とのことでした。
 大和さんは寺川さんの里山倶楽部を目標にしたいと感想を述べ、里山でのチャレンジをする機会を作ることを心がけてきたが、実際にできることが増えてきたことが成果なのかもしれない。そして、いろいろな団体に提案ができるようになったと言われました。
 二瓶さんは自分たちの団体ではステップアップの途中に差し掛かっているのではと感じているという。そそのかされて入ってきて、だんだん働きたいことを団体の中でアピールして運営にかかわるようになった経緯を説明されました。
 それを受けて、宮本さんより、森が自己実現できる場になっているかどうかが、ニーズの高さにつながるのでは、特に女性に対してはと言われました。この自己実現というキーワードもこれからの森づくり(森育)には大変重要な言葉だと思いました。
 寺川さんは自己実現のバリエーションがあること。大和さんは里山を持った人が循環をさせていければいいのではないか、運営メンバーはさまざまだで、それぞれライフステージが変わっていくが、それに合わせていけることを探している。二瓶さんは、どれをやってもいい、どれもやらなくてもいい、どこれかやればいい、どれもやってもいい(四つのどと言われたが、最後の一つはメモをできませんでしたので、勘で書いています)の四つの「ど」を提案し、参加者に一番合った方法を探っていき、口も出すが手も出して共有すると言われていました。
 三人の意見を聞いて、宮本さんは参加者と運営者の垣根がみなさん低い。そして、主体性がある人に何を課題として投げかけるか、みなさんの持つ課題の多さが強みなのではないかとまとめられました。ここでのキーワードは「人が成長する場を作る」でした。木の成長、森の成長とともに人も成長する森づくりが理想なのかなと思いました。
 また、宮本さんからの問いかけで、森づくりを直接的にやろうと言うと参加者が少なかったのでしょうが、直接的ではない森づくりへの誘いかけの変換装置は何でしょうかということがありました。
 二瓶さんは、森づくりという意識は少ない参加者だっただろうが、その場所で楽しんでいることが大事。大和さんは、両極端な人(スキルが高い人、そうでない人)の参加者を3タイプの活動を用意しているとのこと。森林整備、森ごはん、森遊びというようなものを用意されているそうです。
 3人の方の意見をまとめていくと「連携は弱みの補完になる」ということで、企業との連携があれば、連携した企業のいいところをアピールしたりしている。連携と言っても出前授業の場合には無償でやってくれるものだと思う学校などがあるので、有償のボランティアだともアピールしている。それが長く連携できることに繋がるのではないか。という意見がありました。

富井久義氏の分析の説明
 2日目は、セッショントークの話題提供としてまず、「森林ボランティアの進化と変化 森づくり活動実態調査 分析結果と今後」のタイトルで筑波大学大学院・富井久義氏が分析から見えるものということで説明されました。
 1997年度より3年ごとに実施された「森林づくり活動実態調査」の表をもとに話しをされました。そこでの特徴は、1997年から右肩上がりに2012年までは活動団体の数が277団体から3060団体と増えていったのですが、2015年には3005団体と微減傾向を示していることです。年齢層が高齢化している団体がほとんどで、近年の課題として企業や行政、他団体との連携や後継者育成と活動の継続(世代交代、継承)の問題、新規参加者の獲得、それに資金集め・フィールドの活用、地域づくりへの展開、技術・安全の確保などが挙げられました。実際、みやざきの団体も丁度このような時期にさしかかり、高齢化のために団体を解散したところもありました。この団体の解散については、のちほど結論のところで大変いい言葉ありましたので、後で紹介します。
 次に「森林ボランティアの未来」のテーマでNPO 法人よこはま里山研究所理事長・松
村正治氏が説明されました。
 現在の団体の活動と若者とのニーズのずれがあるので、後継者や新規参加者が増えないという課題があるのではないか。現在よこはま里山研究所ではボランティア登録をしている若者20代〜30代が2200人いる。10 〜20人程度のグループでフィールドに連れて行き、活動を行っている。その場合、まず着るものから入ろうとビブスをつくり着用して作業を行っている。作業は午前中で終わり、無理をしない設定にしている。ということでまずは森づくりの入門をしてもらっているそうです。
 その若者の中には物足りない気持ちを持つ人も現れるので、リーダーの養成を行う。さらに、ボランティアからシゴトとへとアプローチをして、少しでもお金になれば若者の意識も変わってくる。「ボランティアとシゴトのコラボレーション」を行っている。楽しいこと⇆正しいこと。広い間口⇆守るべき価値が薄れる。無償⇆シゴトに繋がる専門性。などずれを解消するキーワードがありました。
 「やりたいこと」→「できること」→「必要とされること」今後の森づくり活動で頭に入れておきたい言葉でした。

 話題提供者の説明を聞いて、現在の森づくり団体の現状と課題がはっきりとしてきたことは収穫でした。

○ テーマ別セッショントーク
躍動する団体に共通するポテンシャルとは!? 3つのテーマに分かれて実施テーマ
@次世代に継ぐ森林づくりのための「企業・行政・地域との連携」 ファシリテーター:森の健康診断出前隊代表 丹羽健司氏
A「後継者育成と継続的な取り組み」 ファシリテーター:認定NPO法人JUON(樹恩)NETWORK事務局長 鹿住貴之氏 話題提供:NPO法人いわきの森に親しむ会 松崎和敬氏
B「新規参加者を獲得するためのポイント」 ファシリテーター:NPO 法人よこはま里山研究所理事長 松村正治氏 話題提供:多摩の森・大自然塾鳩の巣協議会 小島圭二氏

テーマ別セッションの松崎氏と鹿住氏
 テーマをA「後継者育成と継続的な取り組み」ファシリテーター:認定NPO法人JUON(樹恩)NETWORK 事務局長・鹿住貴之氏のリードによりNPO法人いわきの森に親しむ会・松崎和敬氏が活動報告をされました。ろうきん森の学校は2001年に設立され、2004年にNPO法人となりいわき市林業研修センターおよびいわき市森林休養施設湯ノ岳山荘の管理運営に指定管理者として当たっています。会員は60 歳以上の方が中心で、正会員117名、家族会員16 名、団体会員7名の計140 名ということです。
 施設としては宿泊施設や会議室、栗園跡地の農地などがあり恵まれた環境にあるようです。しかし、先ほどの高齢者の多い団体での悩みは有償のスタッフを入れて活動を維持したいが、労働金庫からの補助だけでは、なかなかやれないので、杉のポット苗の販売や宿泊施設の利用料などの収入源を模索しているところです。
 この話題提供に基づいて後継者育成についてと持続的な組織づくりをグループに分かれて話し合いました。私たちのグループには協議会の前原満之副会長もおられたので、後継者育成についての話しをみなさんと行いました。
 まず、前原さんから人材発掘をしたいのだが難しい。さらに人材を育てることは難しい。そこで思いついたのが、孫を誘い込み後継者を発掘する「かっこいいじいちゃんコンテスト」のようなものをやって森へ孫たちを誘い込んではどうかという意見を発表されました。長野の小田切さんや吉田さん、奥多摩の山本さん、北海道の小松さんがそれは面白いということで賛同されていました。
 また、後継者というよりも技術を継承する人がいない方が深刻だという意見を長野の小田切さんがいわれました。会員の中にいる森づくりの卓越した技術を持つ方のノウハウを引き継げないかが課題だということでした。さらに、吉田さんからは、せっかくの人材に過度の期待をかけて団体から離れてしまうことも多々あるので、期待しすぎないことも大事だということでした。
(前原感想1)「若者にアプローチする場合、ひとりふたりでは参加したがらない。グループでの参加になると敷居が低い。また、若者には森林整備というより、森を楽しむ活動として呼び掛ける。若者へのアクションツールが届いているかの検証。後継者育成のためには(1)ビジョンは崩さないが、価値観の押し付けはしない。(2)多様な理由、ニーズを理解する。(3)居場所をみつけてもらう。(4)この人!と思う人に、期待しすぎない。どうその気になってもらうか。(5)運営側へのステップアップの仕組み。(6)やってみない?と声掛け(7)人材の発掘⇒ひとつのターゲットは、子育てが終わった50 代後半から60代⇒お孫さんに人気のおじいちゃん(かっこいい!)→そのために、行事内容も工夫。(8)いつも来てくれる人に運営に近い役割を担ってもらう。(9)MFV発足のような、グリーンヘルパーの会発足のような、県や緑推その他の団体等による、研修終了後の組織発足の受け皿として当会を・・・。」
(前原感想2)「継続的活動のためには(1)参加者の参加の理由、期待、気付いたこと、満足、不満足その他様々なニーズを直接的な対話で聞きだし、かたちにしていく。マンネリ化したら新しい事にチャレンジ。(2)組織の維持が目的ではない。フィールド、活動が継続される事。→解散し、別の団体に譲渡する事も。(3)フィールドの状況(木の成長)に応じた活動の展開。(4)他団体、行政等との連携は弱みの補完として活用する。(他の森づくり団体、他のボランティア団体、自治会、学校林等々)。(5)人の問題等でやれなくなるのであれば、その活動を一旦止めるという選択肢もある。その上で、その活動が本当に必要ならばまた誰かが始める。(6)会報の行事報告は出来る限り参加者の声を反映させる。(7)ろうきん森の学校、宮崎ではどうなっている?」
鹿住貴之氏の全体共有の会での発表

全体共有会
 各グループでの討論の内容をまとめて発表がありました。1のグループでは物理的な問題(人・資金)が一番重要だということ。2のグループでは課題の共有が大事だということ。若い人はリーダーを引き受けることは拒む人が多い。大学生の参加者も4年で人が入れ替わるので、ビジョンも継承されないことが多い。そして外との連携は人が代わると引き継げないことが多い。フィールドの状況が変わり、やり方を変えなければならない(山主の意向)などなどの課題を会員同士で共有することが大事ということ。
 松崎さんによる大きなまとめとしては、活動をどうするかを常に振り返ることが大事、そして、会を続けることが目的ではない。場所や教育をどう続けていくかが目的であることを再確認しながら森づくり活動を続けていくことが本来の森の環境保全や環境教育に繋がるのではないかということでした。
 今後の活動で目的は何だったを確認しながら森づくりから「森育」につなげていこうと改めて考えさせられたセミナーだったと思います。

2018年1月27日 森林環境教育サポーター育成研修 会長 二宮信

宮崎県緑化推進機構主催の研修会に参加しました。主に木育から環境教育の話が大変興味あるものでした。

講師は、森林インストラクターの永田光男氏、浅田茂裕氏(埼玉大学教育学部教授)、長南あずさ氏(埼玉県北本南小学校教諭・埼玉大学附属教育総合実践センター研究員)でした。

まず、「喜ばれる森林環境メニュー」と題して永田氏の講演があり、続けて「モウソウ竹による山菜ご飯つくり実習」が行われました。

森林を楽しむ要件に、1.美しい自然があること。 2.活動する仲間がいること。 3.すぐれた指導者がいること。(技術・知識を持った人)があることを述べられました。

森林を楽しむために五感で楽しむ森林内での野外活動として冒険的要素の強い活動(山登り、秘密基地作り、ナイトウォークなど)があり、学習要素の強い活動(グリーンアドベンチャー・樹木博士・探検団など)があり、創作活動(ネイチャークラフト・蔓細工・木工工作など)、林業体験(植樹・草刈り・枝打ち・間伐・伐採など)などがあり、すべてに人もの金がかかるものだということを認識して活動をすることになるとのことでした。

環境教育のメニューは想像力を引き出すことを目的に目隠しトレイン、手作りビンゴ、山野草を楽しむ、林業体験などさまざまあるそうです。

野外活動リーダー養成講座では、スポーツの4要素と野外活動の関連を述べられています。1.技術性⇒高める。 2.闘争性⇒ルールのもとでのか競争。 3.遊戯性⇒遊ぶ、楽しむ。 4.社交性⇒人間関係の構築がそれです。この中でも特に、3と4の要素を重要視されているそうです。

指導者の心構えとしては、目的の違った集団では、指導者の資質が問われます。安全優先であるか、潜在能力を引き出せるか、創意工夫ができて指導者も楽しむことができるかを常に考えておくことが必要だということでした。

環境教育を実践するためにもこの4要素と指導者の心構えは大切なことだと思いました。

また、指導する際に自分の立ち位置を考えることも大事だということでした。例えば太陽に向かう位置に自分が立ち指導をするということでした。

午後にかけては、「モウソウチクによる山菜ご飯づくり実習」です。事前に用意されていた竹を使って容器を作りました。その様子は写真をご覧ください。竹の香りの付いた山菜ご飯が美味しくいただけました。多分、野外活動では子供たちの印象に残るイベントになるのだろうと思いました。

午後からは、森林インストラクターの永田光男氏、浅田茂裕氏(埼玉大学教育学部教授)、長南あずさ氏(埼玉県北本南小学校教諭・埼玉大学附属教育総合実践センター研究員)による木育の話でした。

浅田先生は埼玉の木をふんだんに使った乳幼児とママ・パパのための遊びの空間(まち木育スペースwoods-oN)を月・木オープンされているそうです。そこで室内遊具で遊びそのプレイルームなどの開発に携わっておられます。

先生は、これからの木育は、原体験として木体験が必要だと言われています。自然環境の中で樹木に触れる体験、そして、材料としての木材に触れる体験が大事になってくるだろうとお話されました。

次の長南あずさ先生は現役の小学校の先生で、今の指導要領の中でどうしたら木育の授業ができるかを模索し実践されている方でした。木育のアクティビティとして樹木の成長や樹形を学ぶこと、木材の通導実験(バルサをつかった実験)、顕微鏡で木を覗く、木を使って物作り(リュールシロフォンという円形木琴)などを実物で説明されました。通導実験では実際に石鹸水がシャボン玉になるところやリュールシロフォンの木の音色を聞いたりと印象に残るものでした。

大変貴重な経験と話を聞かせていただきましたので、みなさんにもお伝えしたいと思いました。

2017年12月2日、3日 刈払機・チェーンソー技術講習会

 12月に入って、公私共に忙しい皆さんに宮崎大学田野演習林での研修会に2日間に延べ30名の参加をいただき、充実した研修会が事故もなく無事に終了しました。以下に研修会の要点を報告します。また、参加者のお一人である原口重徳さんに参加の感想をまとめていただきました。ありがとうございました。

第1日 ● 宮崎大学田野演習林について 講師:山岸 極(宮崎大学特任助教)

 講習会の前に山岸先生によるフィールドの概要を説明していただきました。宮崎大学には現在、田野1箇所、串間市2
箇所のフィールドがあり、田野の面積は約500ha とのこと。九州の他の大学、鹿児島大学(3000ha)、九州大学(5000ha)との面積の差はあるが、林道を張り巡らして研究する環境は整っているとのことでした。
 現在、環境省モニタリングサイト1000プロジェクトの森林コアサイトの調査を行っていたり、環境教育のイベントや間伐木の再利用など、多岐にわたり研究をされているそうです。

● 刈払機・チェンソー安全講習およびメンテナンス 講師:戸郷洋逸氏(宮崎機械)

 まず、刈払機についての安全面とメンテナンスについての講義がありました。
・体力を使わない=大振りをしない。回転の反対で切らない。これを繰り返すことで体力を消耗してしまう。そして、転倒の事故も確立が高くなる。しかもキックバックが起こり事故のもとになる。新品の刃を付け替えた時の感覚を覚えておくことが重要。
☆解決方法 刃を研ぐこと。しかしチップソーなどの刃は山や森の現場では目立てができないので、予備の刃を持っていくことが大事。

・声かけをする場合の方法
☆後ろからは絶対声をかけない。シャフトの長さ分の距離でしか声が届かないため振り向き事故が起きやすい。そこで、事前に周りの人に声かけの方法を話しておく。声が聞こえたらエンジンを切ることを徹底することが大事。移動の時もエンジンは切る。

・オーバーヒートする機械が増えているが、原因はフィルターの詰まりである。
☆解決方法 キャブレター下のフィルターに詰まったものをピンセットなどで摘み出す。決してコンプレッサーなどで吹かないこと。中に入りこんでしまうため。次にチェンソーについての講義でした。

・チェンソーの張り替え後の安全確認方法  
☆ピンと張れた上に手でチェンが回れば大丈夫。

・チェンソーの目立てについての方法
☆まっすぐにヤスリを押せるようになることが大事。研いだ跡は光っているので、確認しながら作業を進める。

・チェンソーの目立てのポイント
☆目立ての時期は切れ味が悪くなったら。チェンソーの自重で切れるのが普通である。新品のチェンソーを購入した場合は、その切れ味を覚えておくとが必要。1本の木を切るときに10秒以上かかるとオーバーヒートしてしまう。チェンの予備は必ず持っていく。

第2日 ● チェンソーの伐採実習 講師:黒木純一氏(てるは林業)

 まずは、座学でチェンソーについての話を聞きました。
 黒木さんは現場に入るとまず山の神様に御神酒をあげ森の木の命を奪うことを許してもらうよう祈り繰り返すそうです。
 チェンソーの目立てについては、前日の戸郷さんの基本的で安全な平地などでのやり方とは違い、山の斜面などで目立てをしなければならないことが多いとのことで、チェンソーを立てて、目立てをしているという話でした。自分でこれだと見つけられてもう20年以上もそのやり方をされているそうです。 
 いよいよ現地へ車を分乗していきました。今年は檜の林の樹齢10年ほどの木を選んでいただき伐採しました。
 最初に黒木さんが受け口の切り方、伐倒の報告の確認の仕方、ツルの切り方、応用編で材が痛まないようにするツルの切り方などを実践していただきました。また、ロープを使っての確実な倒し方、枝打ちの切り方なども実践していただきました。
 チェンソーの刃を回転させてオイルが満遍なく回っているかを確かめる方法も参加者は実際にやってみて理解できたようです。
 今回の伐採の木は直径15p程度のものだったので、皆さん掛かり木にもならずに綺麗に予想した方向への伐倒ができていたようです。この研修の感想を水源の森づくりをすすめる市民の会の原口重徳さんが快く引き受けてくださいましたので、掲載させていただきました。

「刈払機・チェンソー技術講習会」に参加して

 去る12月2日(土)〜3日(日)、みやざき森づくりボランティア協議会の主催により、宮崎大学農学部付属田野フィールド(研修棟・演習林)で開催されました。2日間で延べ32名(内宿泊12名)の参加で、操作取扱・刃の目立てなどのメンテナンス・作業上の安全管理や注意すべき項目などの講義や間伐の実習を通じて学ぶことができました。
 1日目、宮崎大学農学部の山岸特任助教から、田野フィールドの概要(田野町・串間市入納地区・同崎田地区の3地区で約620ha)や演習林の林相、農学部が実施している長期にわたる研究や観測、モニタリング事業、地域への社会貢献事業や他大学・研究機関との交流研究などについて説明を戴きました。
 次に、宮崎機械(宮崎市)の戸郷さんから、刈払機とチェンソーの操作、取り扱い、作業上の安全確認、刃の目立て方法、機械のメンテナンスなどの講義を戴き、また、作業者本人や周囲の作業者の不注意や安全不確認により大ケガが発生したなど生々しい経験の話もあり、受講者も真剣に聞き入っていました。作業に当たっては、作業中に転倒しないこと(傾斜地の作業は特に注)・滑り止めの付いた作業靴を使用すること、刈払機の操作を大振りにしないこと、周囲の者は刈払作業をしている範囲内に立ち入らないこと、刈払作業をしている者に後ろから声を掛けないこと(振り返り時の事故の原因となる)、よく切れる刃を使用すること(切れない刃は事故のもと)、事故はチェンソーよりも刈払機による発生が格段に多いので十分に注意を払うことなど詳細な講義であり、作業上の事故防止・安全確保について改めて認識しました。また、チェンソー刃の目立てや取り替え、刃の張り方などの実習も行いました。
 今回は宿泊研修のため、1日目終了後は、近くの宿「長日川」の露天風呂で汗を流し、食堂で楽しみの夕食です。ビールで乾杯し、刺身やオードブルの盛り合わせ、アツアツのおでん、カレーなどで腹を満たし焼酎を飲みながら、各参加者の自己紹介やグループでの取り組み報告など楽しい時間はアッという間に過ぎ、明日の講習に備え、和室や二段ベッドの部屋に分散して就寝となりました。
 2日目、てるは林業(綾町)の黒木社長と吉田さんによる、チェンソーの取り扱いや刃の目立て、切れる刃を使うこと、予備の刃を持参し交換することなど取り扱い上の安全確保や注意すべき項目などについて講義を戴き、いよいよ炎龍林へ移動して伐採の実地講習です。伐採に当たって、立木を倒す方向や避難する方向、チェンオイルが出ていることなどの確認を行い、チェンソーを入れる受け口・追い口への刃の当て方、枝落としや玉切り、伐採木を倒す時のロープの使い方などを現場で実施講義して戴き、各参加者がそれぞれを実施体験したことにより、技術の習得ができたことと思います。
 2日間の講習で会得できたことを実地の場でも確実に守り、ケガをしない、させない安全な作業を学ぶことができました。ありがとうございました。

水源の森づくりをすすめる市民の会 原口重徳

2017年11月25日 水と緑の森林づくり県民ボランティアの集い

会長 二宮 信

 2017年11月25日(土)に宮崎市のサンマリーナ宮崎多目的広場で行われた式典にみやざき森づくりボランティア協議会の会長として参加しました。
 この催しの趣旨は、「森林のはたしている重要な役割について県民等の理解と関心を深め、県民等による森林づくりに関する活動を促進するため、平成18年4月から施行された「宮崎県水と緑の森林づくり条例」において推進期間(10月1日から11月30日)が設けられています。
 その一環として、森林から様々な恵みを受けている県民等が、主体的な参画や適切な役割分担と協働による森林づ
くりを進める」そのために開かれたものです。
 参加者は約500人、主催者の宮崎県から河野知事が挨拶をされました。
 行事としては、平成29年度宮崎県緑化功労者(知事賞)が旭化成株式会社延岡支社、乙房自治公民館、山本清陽さん、服部文明さんが表彰されました。樹木医としても知られる服部さんです。おめでとうございました。
 また、平成29年度宮崎県学校関係緑化優秀校(知事賞)として、倉岡小学校、学園木花台小学校、有明小学校、木城小学校、梅北小学校、丸野小学校、小林小学校、広原小学校、熊野江小学校、西門川小学校、松尾小学校、押方小学校の12校が表彰されました。
 主催の宮崎県、宮崎県議会森林・林業活性化促進議員連盟、みやざき木づかい県民会議の皆さん、さらに企画運営をされた公益社団法人宮崎県緑化推進機構の皆さんありがとうございました。私は式典の後の森林づくり活動は所用があり参加できませんでしたが、来年度はぜひ参加したいと思います。

2017年6月18日 第16回通常総会

総会:MFV会
現地研修:どんぐりいろいろ園

詳細については、「森づくり通信新9号」に紹介されています。

2016年6月19日 第15回通常総会

総会:高千穂森の会
現地研修:高千穂森の会フィールド

詳細については、「森づくり通信新7号」に紹介されています。

2016年2月21日 みんなの森づくり講演会「森が生んだ若山牧水〜人間と自然〜」

会場 宮崎会館・宮日ホール
時間 13時00分〜15時40分

詳細については、「森づくり通信新6号」にく紹介されています。

2015年9月12日 チェーンソー・刈払機研修会

会 場:宮崎県林業技術センター内森の科学館
参加者:15人(ロキシーヒルの会、ドングリ1000年の森をつくる会、宮崎グリーンヘルパーの会、水源の森づくりをすすめる市民の会、子どもの森、さるなしの里)

詳細については、「森づくり通信新5号」に紹介しています。

2015年6月21日 第14回通常総会

総会:旧日向市立美々津小学校田の原分校
出席者:9団体(17名)、委任:4団体

現地研修:さるなしの里
参加者:15名

研修報告:日高基晴さん(宮崎グリー ンヘルパーの会)「山梨県のキープ協会での研修」
講演会:三浦知之先生(宮崎大学農学部海洋生物環境学科教授)
聴講者:25名

詳細については、「森づくり通信新3号」に詳しく紹介しています。

2014年6月15日 第13回通常総会

総会:宮崎市高岡交流プラザ
出席者:12団体(28名)、委任:3団体

現地研修:ひむか里山自然塾
参加者:27名

講演会:河野耕三先生
参加者:31名

 宮崎市高岡町のひむか里山自然塾のフィールドの現地研修と午後より宮崎市高岡交流プラザにて講演会、そして総会を開催しました。参加者は現地研修会27名、講演会31名、総会28名(12団体)委任状提出団体3団体でした。

 ひむか里山自然塾の現地研修は、午前10時より始まり、岩切重人会長の活動報告が資料をもとにありました。現地は山の尾根道を約20分登り降りしながら、周囲の音を楽しみました。スタッフとして小川昭一郎さん、角谷實さん、金丸文昭さん、黒岩義貴さん、児玉暁子さん、外山春美さん、前田文子さんが5つの班に別れてそれぞれの先頭に立って案内してくださいました。ありがとうございました。


フィールド散策 ツリーハウス

 午後1時から宮崎市高岡交流プラザにて講演会を講師に河野耕三先生をお招きして開催しました。
 日本の照葉樹林と大陸の照葉樹林との比較という地球規模の話から始まり、シイ類やブナ科の中国と日本との比較すると中国には209種類、日本は14種類ということを説明され、熱帯から森林が続くのはアジア大陸のみで、このような中で森林ボランティアが活動しているという現況を図表を使って説明してくださいました。さらに森林再生について、綾での二次林をベースに100年ぐらいで再生しようという活動や現在、照葉樹林が残っているのは全体の1.6%となっているため、照葉樹林回廊構想を打ち立て、森林再生の必要性を話されました。
 森林再生に関しては、杉山から元の自然林に戻すにはいろいろな方法があり、一斉伐採して植樹する方法、徐々に戻す方法(植え込むか植え込まない)など、結局は植樹をする人の意志が重要になると言われました。

河野耕三先生 講習報告

 講演会終了後、黒田喜一郎さん(宮崎グリーンヘルパーの会)から「平成25年度樹木と緑化の総合技術講習」に参加した報告をしていただきました。植栽基盤の講座では、土がどれだけ深く浸透するか、土の固さを調べる実地研修。東京農業大学の浜野先生からは、明治神宮の植栽は当時17万本だったのが、現在は10万本となっている。理由は小さい木が育たず、人があまり手を入れていないためということ。講師の先生方の中には、・植樹が本当に役立つのか?・密植型の森は役立たない、・ビオトープは役立たない(5ヘクタールは必要)、・太陽光発電はヒートアイランド現象を招くのではないか?、・外来植物が総べて悪いのか? という既成概念を改めて考えされられる言葉も聞くことができた。
 この研修で次のステップの樹木医の研修も受けたくなった、という感想を述べられました。

総会 新加入団体の紹介

 総会は、出席団体12団体、委任状3団体、合計15団体で総会が成立することを宣言して行われました。議長に倉爪徹さん(水源の森づくりをすすめる市民の会)をお願いして、1号議案から4号議案までが承認されました。

2013年6月16日 救急法研修会

会場 宮崎市中央公民館大研修室
時間 10時〜15時

 出席者23名に講師の長尾定明先生の合計24名の研修会となった。長尾先生は現在82歳のご高齢に関わらず、しっかりとした講義をしていただいた。日本赤十字で30数年勤務、その際救急法の普及に消防学校、警察学校、看護学校などで教えられたという。

《第1の講座》 手当の基本〜とっさの手当がいのちを救う
 日向市の消防の事例を出され、休憩でいきなり草の上に座ったら、削ぎ竹が臀部に刺さり、重ね圧迫という方法で止血し、医療機関へ運んだ例だった。その時、医師が竹を抜いてしまったことを指摘して、変な抜き方をすれば組織神経を傷める可能性があった。深い傷は抜かないで医療機関へ搬送するべきだということ言われたそうだ。それ以後、消防の人は確認して座ることを徹底したという。この話では救急法とは、病気やけがや災害から自分自身を守るということでまずは、事故防止、『KY(危険予知』が大切だということを話された。
 運悪く事故が起こった場合、すぐに被害者に近よって、感電していた人の場合に二次災害を起こした例があり、すべての手当はまず観察から始まることを教えられた。それは、周囲の状況の観察、傷病者の全身の状態の観察から始まるということだった。グアム島で起きた事件では出血している人に人工呼吸をして出血多量で死んだという例も上げられた。
 ㈰手当は、体位を決めてから
 意識のない人に対しては、気道確保ができる体位をとること。鼻血は血液が体内に入らないように呑み込む体位をとらないこと(感染の恐れがある)。さらに鼻に詰め物などをせずに鼻翼をおさえて出血を抑えること。脳貧血の場合は、寝ることができない場所では靴の紐を結ぶような体位をすると楽になる。寝ることが出来る場所では、足を高く、締め付けを緩めること。
 ㈪保温・加温
 下からの保温(新聞紙でもいい)。毛布で包んだだけでは加温できないので、火で温めるか湯たんぽなどを入れることで加温する。場所によっては、金属性の湯たんぽを太陽光であたためておき、いざという時に使用する場合も考えている人たちがいるそうだ。
 ㈫飲み物を与えていい人、与えてはいけない人の区別
 意識がない。頭、胸、腹の損傷。吐き気がある。手術の必要がある。すぐ医師の治療を受けられる。このような場合は水などの飲物を与えてはいけない。また、熱中症。ひどい下痢による脱水。熱傷。毒蛇にかまれた。熱中症の場合はナトリウムが入っている飲物を飲ませる。熱傷の場合は、意識のある人には水分をやってもいいが、意識のない人にやることはしない。毒蛇の場合も同じく、水をやって血液の毒の濃度を薄めるようにする。
 ㈬搬送***傷の手当と同様に重要
 首や頭を傷めた人を運ぶ場合、昔の時代劇などを見ると戸板で運んでいるの見かけるが、素晴らしい搬送のしかたであると話される。搬送が難しい場合は医師をその場に連れてくることが一番安全な方法。
 ㈭ことばの救急法
 長尾先生が使っている言葉だそうです。傷病者を力づけ、安心させることばがけや、救助者のしっかりした態度が大きな助けになる。子どもの場合は傷口を見せない工夫をすることが必要。とになく傷がどれぐらい深いかや何針縫うなどの言葉は傷病者には聞かせてはマイナスになる。

《第2の講座》 野外活動時によくある事故とその対応
㈰虫に刺された場合=蜜蜂の場合は針を刺して、針が体に残るので、道具のない場合は五十円玉か五円玉で圧迫して取るといい。昔はアンモニアで消毒すると考えていたが、今は、水で洗い流すことが大切。その後はタオルなどを濡らして冷湿布をする。もちろんその後は速やかに病院で治療を受ける。
 蜂の場合や元々三大アレルゲンのたまご・牛乳・小麦によるアレルギーを持つ人のようにアナフィラシーショックの症状が出る人(発熱、嘔吐、けいれん、呼吸困難、低血圧)には、病院で処方されているエピペンという簡易注射器を携帯している人がほとんどなので、症状が出て、自分で注射ができない場合は、三十分以内にそばにいる人が打ってやることで命が守れる。
 予防法としては、黒い服を着用しない。大声などを出して音で刺激しない。香水やお菓子など匂いや甘いものは避ける。
㈪動物に噛まれた場合=犬や兎などの動物(人間)に噛まれた場合は必ず医者に見てもらうこと。動物は細菌が多い。
 手当は石けんを使って水でよく洗うこと。徹底的に流水で洗うこと。蛇の毒素で脱水症状を起こしやすいので、水分を与える(意識のある人)。安静にする。手足を縛ったり走ったりしないこと。吸引は有害無益だということで最近は吸引や縛ることなどは血管などを痛め、組織損傷を起こす危険性があるのでやらないこととなっている。その場合は止血点を押さえながら処置することが必要。
㈫熱中症=温度28度、湿度78%ぐらいが目安となる。熱けいれんは意識に問題がないので、食塩水を補給すれば通常治る。熱疲労は涼しい場所に寝かせ、衣服を緩める、水分と塩分を補給する。熱射病は風通しの良い涼しい場所に寝かせ、衣服をゆるめ、濡れたタオルや水をかけて、あおいで風を送る。意識があり、吐き気がないときは飲物を与える。意識がない時は回復体位にする(横向きにして気道を確保する)とにかく熱中症は体温を下げることに熱中することが必要。
㈬骨や筋肉など痛めた場合=骨折は必ず固定していくこと。アキレス腱はうつぶせの体位にして爪先が一直線になるようにして搬送。腹の打撲の場合は、膝を立てて、仰向けになる体位を保つ。もんだりしないこと。
㈭きずの場合=開放性の傷は手で圧迫する。腕は6ヶ所、足は付け根の場所。縛る事は最近はやらないとされている。
㈮落雷にあった場合=心臓を通ると心停止になる。この場合、AEDがくるまで胸骨圧迫を行ない後遺症を軽減する。外傷の場合は痛みが無くなるまで冷やすことが大切。冷やしながら病院へ行く(水が一番だが、タオルを濡らしてもいい)。

《第3の講座》 三角巾の使い方
  それぞれ参加者が一枚の三角巾を持ち、2人組になり、説明と実地を行なう。三角巾の結び方(真結びの方法。折りたたみ方)をまず教えていただく。参加者は結構苦労している人が多かった(筆者も)。第1第2講座で教わった止血法や搬送法などを復習しながら、まず、額の周囲の使い方を実習する。傷口にガーゼなどを当てて三角巾(折りたたんだ物)で縛る。この際の結び方は真結びにする(解きやすい)。しっかりと傷口を圧迫することが必要なのだが、実際の現場ではどうだろうかと心配になる面も自分自身にあった。実地経験することが大事なのかもしれない。
 腕の場合の結び方。この場合は三角巾を広げて、腕をくるみ、首の斜め後ろのところで真結びする。腕が窮屈にならないようにすることが大切だと感じた。足首の場合も教えていただいた。

《第4の講座》 AEDの基本
 時間が切迫して、駆け足となった。基本的にはAEDの指示に従って作業を進めることなのだが、まずAEDが到着するまでは胸骨圧迫(心臓マッサージ)による血液を送る作業を続けることが大事。AEDが作動しても胸骨圧迫は続けることが社会復帰ができるような状態で傷病者を病院へ送ることができる。最近では心臓震盪(しんとう)で心肺停止になる例が多い。感電や急に冷たい水に入った場合、ボールが胸部に当った場合など、いろいろな現場がある。森づくりの活動の中でも木を伐採したり石の落ちる崖があったりするなど心得で作業をしたい思う。

 時間が足りずに先生には駆け足の講座に最後はなってしまいましたが、参加者は先生のユーモアを交えた話ぶりに興味を持って、聞いておられたようです。実地ではいざとなった場合の対処などが、この研修により少しは的確にできるのではないかと感じて研修を終えました。

事務局 二宮信

平成25年6月16日 第12回通常総会

会 場 キャンプ権代
10:00 受付
10:30〜12:00 南那珂森林組合のさくらの森(17haの私有地) 視察
森林組合の森づくり(南那珂森林組合 島田俊光組合長)
13:00〜14:00 キャンプ権代の現地視察
14:00〜15:00 総会
出席団体
(9団体)
ロキシー・ヒル、水源の森づくりをすすめる市民の会、どんぐり1000年の森をつくる会、にわとこの会、宮崎グリーンヘルパーの会、子どもの森、大塚台緑地林里山整備実行委員会、さるなしの会、環の会 他宮崎県緑化推進機構
出席者数:25人

平成25年(2013)に串間市キャンプ権代と南那珂森林組合の管理するさくらの森で現地研修と講演会、そして総会を開催しました。
 参加者は現地研修会20名、総会25名(9団体)委任状提出団体3団体でした。
 現地研修では南那珂森林組合のさくらの森(17haの私有地)の山を見学しながら、島田俊光森林組合長の話を聞くというスタイルで進みました。
 串間市本城から幸島のある市木へと向い、高畑山(自衛隊のレーダー基地)の下の山がさくらの森でした。地主の方の森林環境への深い理解があり、ゴルフ場になるかとの話もあった中、桜やケヤキ、イチョウ、カシなどさまざまな樹木を2012年から植樹されてきています。急傾斜地の山ですが、植樹された苗はしっかりとつがっているようでした。
 山菜を東北に実際いかれて、山地での栽培なども模索しておられ、森林とその中で生活できる基盤も考えておられました。
 森林組合は組織であることの強みを生かして、山の持ち主にも信用され、任せてもらえた。それがなければ、この山はゴルフ場になっていたかもしれないと思うと、自然を残す仕事は、人から始まるのだなあと実感されられました。

 講演会と現地研修が終り、急遽総会の会場にもなったキャンプ権代へ参加者のみなさん移動しました。
 キャンプ権代は約2haほどの山に山小屋、クヌギの森の中の集会場などを備えた環境グループ環の会の施設です。
 環の会の河野さんやメンバーの方々の心のこもった料理で昼食となりました。日向地鶏っこの焼き鳥、アジの南蛮漬け、オカラで作られた揚げ、美味しいみそ汁などなどで参加者の皆さん満足していました。河野さんありがとうございました。空気の美味しいところで、さらに料理が美味しくなったと思います。

 昼食後は、キャンプ権代の現地視察を行ないました。ホタルが見られるようになった小さな沢、クヌギの森、記念植樹を4年ほど前にやった場所などを散策され、改めて植物のありがたさ、ボランティアの皆さんの努力を感じられたと思います。

 2時より総会です。クヌギの森の集会場で野外の総会となりました。時折八色鳥が鳴き、誰かがああ八色鳥だなどと自然を味わいながらの総会です。
 事務局より加盟団体の紹介とそれぞれ出席している人で会の紹介をされました。皆さんの顔と名前が少しでも一致したのではないかと思います。
 議事の進行を総会の数日前にどんぐり1000年の森をつくる会の事務局・徳永貢さんにお願いして議長になっていただきました。二つ返事で受けていただき事務局はとても助かりました。
 議案の1・2の活動報告と決算報告が承認され、3号、4号議案の活動計画、収支予算も承認されました。
 また、5号議案の役員改選は一名の理事の改選と監事の改選が承認されました。任期は2年で新年度はこの体制でいくことを皆さんに承認してもらいました。


会長あいさつ

総会会場の様子

役員あいさつ

総会出席者

平成24年9月9日 チェーンソー及び造林鎌、腰ナタのメンテナンス講習会

10時〜 チェーンソー及び造林鎌、腰ナタのメンテナンス 講師:貴船吉見さん(西都市・元営林署職員)
 チェーンの目立てについて、新しい知識を覚えることができました。歯先は、チェーンと90度に、広葉樹などの固い木を切る時は歯を鋭角にしない、ヨーロッパでの追い口の作り方が日本とは逆である、水なしでの砥石の使い方等など。これは、今までの講習会等では聞いたことがありませんでした。さすが現場での叩き上げの貴船さんです。

13時〜 チェーンソーアートの実演・体験 講師:田中佑樹さん(鹿児島県・NPO法人四季の会)
 チェーンソーアートでは、製材などに向かない市場価値がないため山に放置される木を使います。今回の杉丸太も山に捨てられていた二股に分かれた部分でした。チェンソーを使用して木彫刻を行い、木を無駄にしないというコンセプトで取り組んでいるそうです。 体験では、背もたれ付きの椅子を作りました。

子どもの森HPより

平成24年6月17日 第11回通常総会

会 場 宮崎市民プラザ
10:30〜12:00 受付
13:40〜15:00 講演「モンゴルと日本をつなぐ風力発電機」川崎敬一氏(都城工業専門学校技術支援センター長)
15:50〜16:30 総会
出席団体
(14団体)
ロキシー・ヒル、水源の森づくりをすすめる市民の会、どんぐり1000年の森をつくる会、にわとこの会、日向市ふるさとの自然を守る会、宮崎グリーンヘルパーの会、MFV会、子どもの森、ひめしゃら倶楽部、大塚台緑地林里山整備実行委員会、ひむか里山自然塾、さるなしの会、めぐみの森づくりの会 他宮崎県環境森林部豊かな森づくり担当、宮崎県緑化推進機構
出席者数:51人
森づくり現地視察 大塚台緑地林里山整備実行委員会

森づくり通信22号に、詳細があります。

平成23年9月12日 チェーンソー研修会

    安全は道具から始まる〜2011年チェーンソー研修会報告〜

2011年9月11日(日)宮崎大学演習林で、みやざき森づくりボランティア協議会の精鋭19名が集まり、チェーンソーの研修会に臨みました。
各団体のチェーンソーや協議会のチェーンソーを持ち寄り、皆さん午後の間伐実習へと頭は向いていました。
ところが、講師の戸郷洋逸さん(宮崎機械株式会社)の講座が始まると、林業現場の事故の実例に女性の参加者は大変な研修に来たのかしらと思うような、大変具体的な実例が次つぎに挙げられました。
まず、安全講習では、チェーンソーという機械で大怪我をしたり、死亡したという例はありませんという戸郷の話に「えっ、何故」と疑問を持ちつつ聞き入っていました。機械はスイッチから手が離れれば、止まります。しかし、間伐などの作業では、30センチほどの木を伐採するにも高さは約20メートル余りあり、重さは人間に当たれば死亡事故になります。安全な場所を確保して、回りに人がいないことを確認して伐採する。普通に考えれば、当然のことですが、現場ではなかなかそうはいかずに、自分で伐採した木の下敷きになったり、跳ねた木に打たれて死亡したりということが多いということでした。
伐採しても他の木に掛かる「掛かり木」という状態になったものを、なぎ倒したり、元玉切りという掛かった木の途中から切る、掛かられた木の枝を木に登って切る、手でかかえようとするなど事故の原因はたくさんあるそうです。
掛かった木は道具を使って倒すこと。道具には万力、ぺーリングレバー、ターニングストラップなどがあり、木を回転させて倒すことができます。今回は現物は見ませんでしたが、機会があれば見ておきたいと思いました。
また、どうしてもその日のうちに倒せない場合は、必ずテープなどで目印をつけておくことが大事だということです。
そして、今回の講座の目玉だったのは、チェーンソーのメンテナンスについてでした。皆の持ってきたチェーンソーが約10台余り、そのうち講師の戸郷さんが、間伐に使えるように整備されているものは、たったの一台だけですというと、みんなは「何故」、「やっぱりな」などと言う顔をしていました。
理由は、チェーンのメンテナンスの不備でした。歯の部分が磨耗していたり、チェーンが伸びていて弛みがでていました。辛うじて合格の1台は先日チェーンを替えたばかりだということ。日頃の手入れの不備に反省しきりでした。
そこで、まずチェーンを研ぐ時の正しい研ぎ方を教わりました。さらに、チェーンの張りかたを実際に分解して調整を教わりました。具体的に専門の人に教えてもらって、大変参考になったという参加の声がたくさんありました。みんなも夢中になってチェーンを張り、納得した顔をしていました。
チェーンの研ぎ方も自己流でやられていた方も多く、ヤスリと自分の腕が一直線になるように握ることから説明を受け、今までの研ぎ方が不安定な研ぎ方だったと反省していました。
午後は、安全にそして確実に伐採をするために、宮崎大学の高木正博先生と村本康治専門職員に選木と伐採実技の講習を受けました。樹齢30年ほどの杉の木を予定では90本ほど間伐するはずでしたが、時間の都合で目標には達しませんでした。
参加者は2つのグループに分かれて実際に選木から伐採までを各人2〜3本ぐらいを切りました。幹の太さが30cm足らずの木でも伐倒する時の衝撃は身体にずしりとくる感じで、安全を確認しながらやらないと大事故が起きるはずだと、午前中の座学の説明が皆さん身に沁みて理解できたかと思われました。
今回の研修で学んだことは、きっと今後の活動に役立つことになると思いますし、今後、森づくりに興味を持ち、実際にボランティアとして参加される方々への私たちの指導にも役に立つと思います。

二宮信(みやざき森づくりボランティア協議会事務局)

平成23年6月19日 第10回通常総会

会 場 宮崎市大淀川学習館レクチャー室
9:00〜9:30 受付
9:30〜10:40 講演「湧水のまちの森づくり」山之口志朗氏
10:50〜11:50 総会
出席団体
(11団体)
ロキシー・ヒル、水源の森づくりをすすめる市民の会、どんぐり1000年の森をつくる会、にわとこの会、日向市ふるさとの自然を守る会、宮崎グリーンヘルパーの会、MFV会、子どもの森、ひめしゃら倶楽部、日本熊森協会宮崎支部、大塚台緑地林里山整備実行委員会
(オブ出席)宮崎県環境森林部豊かな森づくり担当、宮崎県緑化推進機構
出席者数:33人
世話団体 水源の森づくりをすすめる市民の会

 この梅雨の大雨により、当初計画していた日程と場所での総会開催が危ぶまれ急きょ日程と場所を変更して総会が開催されました。


講演する山之内志朗さん

図師会長あいさつ

議長の横山さん

◆講演「湧水のまちの森づくり」◆
 小林市の北霧島水源の森づくり推進会議で活躍している山之口志朗さんが関わってきた森づくり活動についてのお話がありました。

1)広葉樹を植えてみどりのトンネルを作ろう:2000年度から
 県道1号線(小林えびの高原牧園線)を観光道路とするために、3年計画で沿道の人工林を広葉樹の枝でトンネルを作る事業です。国有林である沿道左右10m〜20mに植林している杉を森林管理署にて約6km伐採して、その跡に小林市や商工会議所等と協力して3年をかけてヤマザクラ等を800本を樹木植樹してきた。鹿被害を防ぐため植樹する苗木は幹径が10cmまで育った苗木を使用したそうです。苗木の値段と植栽費用、その後の手入れに必要な費用を捻出するために、植樹する樹木のオナー制度(1本12,000円)を採用しました。地元の方や東京や大阪等に在住の地元出身者に、この活動趣旨とオナー制度の説明と協力の要請によりオーナーを集めました。報道関係にも多く取り上げてもらい、オーナーも思っていたより集まり事業が無事終ったそうです。その後、県による県道1号線の拡張と補修やガードレールを木製への取替えにつながっていったそうです。

2)次世代に託す、バットの森づくり:2003年度から
 子どもたちに森づくりへ興味を持ってもらうために、野球のバットに用いられるアオダモの木を3年間かけて杉の伐採跡4haに3000本の植樹したそうです。バットになる木であることから、少年野球チームを中心に、緑の少年団と行政関係者も参加して、バットの森が完成したそうです。

3)子供達に夢を、どんぐりの森づくり:2009年度から
 子供達が入りドングリを拾い遊ぶことができるための森づくりで、平成20年度と平成22年度に植樹祭を開催しました。それぞれ100人超の参加があり、計2000本の広葉樹を植樹したそうです。

4)守れるか、故郷の湧水資源
 霧島北山麓に位置する小林市には、70箇所を超える湧水群があり、小林市の上水道としても使われている。かつて名水百選にも選ばれ、その代表的な湧水群でもある出の山公園付近は蛍の名所としても有名である。しかし、最近ミネラルウォーターの販売を業とする会社が数社営業をはじめ、ものすごい量の地下水をくみ上げている。日本全国はおろか中国にも輸出するという。
 湧水は無尽蔵ではない。私たちは、このかけがいのない水源が枯渇しないように、また、豊かな自然環境を次世代に残していくために毎年植樹を行なっている。なのに、無制限に地下水をくみあげて続けたら、何時かは自然環境が破壊され枯渇する。今地元では、湧水自然保護条例制定に向けた動きが始まっている。ぜひ早急に実現してもらいたい。(講演資料より)

◆会長あいさつ◆
 昨年度は、口蹄疫の発生により総会開催の自粛、今回は、大雨による影響で研修と総会の開催予定地までの道路において土砂崩れの恐れがあり、2年連続世話団体となった水源の森づくりをすすめる市民の会には、迷惑をかけてしまった。現在の21加盟団体は、森に経済性を求めるのではなく、人に癒しもあたえる森づくりを進めている。子供たちに昔の自然あふれる森を残す必要がある。各団体の特長を活かして、地域生活に密着した森づくりを目指してほしい。

◆総会◆
 事務局の二宮さんからの提案で、子どもの森の横山さんが議長に選出されました。横山議長のあいさつと総会成立宣言の後、議案第1号から7号までの審議が行なわれました。

事業報告をする岩倉副会長 収支報告をする事務局の二宮さん

1)議案第1号と議案第2号
 議案第1号と2号が一括審議とすると議長より提案があり、下記の議案第1号(昨年度事業報告)が、岩倉副会長よりパワーポイントを使って説明がおこなわれた。
 ・理事会の開催
 ・昨年度総会が口蹄疫で中止になった経緯について
 ・刈払機講習会と森づくりシンポジウムについて
 ・高校生への普及啓発の実施
 続いて議案第2号(昨年度収支報告)を事務局の二宮さん報告し、質疑等特になく拍手によって承認された。

2)議案第4号
 今年度の下記の事業計画案が岩倉副会長より説明があり、質疑等特になく拍手によって承認された。
 ・理事会は年間6回程度開催する。
 ・研修会と総会は、日程と場所が変更となったが、講演は開催できた。
 ・チェーンソーの取り扱いを安全教育の技術研修を行なう。
 ・森づくりシンポジウムは、理事会にて講演者や事例発表等の詳細を決めていく。
 ・高校生等への普及啓発は、希望団体が5団体予定されている。

3)議案第3号
 今年度の収支予算案が事務局の二宮さんより提案され、質疑等特になく拍手によって承認された。

4)森林づくり団体活動支援事業報告(議案第3号)
 宮崎県緑化推進機構の大木常務より、下記の昨年度報告と今年度予定が報告された。
 ・みやざき森づくりボランティア協議会(本会)活動への支援
 ・森林づくり活動等に関する研修などの実施
 ・森林づくり活動の高校生等への普及啓発
 ・昨年度森林づくり団体活動支援事業収支報告と収支予算案

5)議案第6号
 図師会長の退任について、これからも当会への支援と協力をお願いするために顧問に推薦したい。そのために、規約に役員として顧問1名を追加する規約改正の説明が、事務局の二宮さんより提案がされた。
 出席者より、顧問の数は若干名とした方が良いのではないかと意見があった。この意見は、理事会で検討をしたい旨の回答があり、今年度は提案した規約改正としたいと説明があった。その後、拍手によって規約改正が承認された。

6)議案第7号
 下記の役員が提案され、質疑等特になく拍手によって承認された。
 ・会長:樋口信義(どんぐり1000年の森を作る会
 ・副会長:岩倉尚哉(宮崎グリーンヘルパーの会)
 ・理事:横山謙一(子どもの森)、前原満之(水源の森づくりをすすめる市民の会)、飛松国輝(どんぐり1000年の森をつくる会)、村上峯雄(大塚台緑化林里山整備実行委員会)、甲斐美鈴(日本熊森協会宮崎支部)、二宮信(ロキシーヒルの会)
 ・監事:川上和枝(MFV会)、菊池武志(にわとこの会)
 ・顧問:図師哲雄(ロキシーヒルの会)


新役員

出席者記念撮影


○ 畠山重篤さんへの義援金
 森づくりボランティア協議会が最初に開催した森づくりシンポジウム(平成21年1月15日)で記念講演「森は海の恋人〜鉄が地球温暖化を救う〜」をしていただいた畠山重篤さん(宮城県気仙沼在住)が、3月の東北地方太平洋沖地震で被災されました。お世話になった畠山さんに何か支援をしたいとの思いから、総会において義援金の呼びかけをしました。総会に参加した加盟団体と個人から、合計29,500円の義援金が集まりました。義援金は、事務局から畠山さんにお送りしました。

平成22年9月11日 刈払機技術講習会

参加団体:ロキシーヒルの会、宮崎グリーンヘルパーの会、水源の森づくりをすすめる市民の会、NPO法人子どもの森、NPO法人ひめしゃら倶楽部 (計5団体、17人参加)
場所:宮崎中央森林組合、高岡町一里山


戸郷様逸さん(宮崎機械有限会社取締役)による事故事例や機械メンテナンスの講話

刈払機の基礎実技研修

9月11日(土)9時30分より宮崎中央森林組合にて刈払機研修会が行われました。午前中に「安全講習」の講義と「生物多様性の森づくり」についての講和があり、午後からは高岡町にある一里山山林にて「機械の取り扱いについて」の現地講習があった後、グループに分かれ実技研修が行われました。

森づくりに関しては全くの素人で、刈払機などを簡単に扱う人の姿を見て、これまでカッコイイとただそう思っていた私にとってこの日の研修はかなり衝撃的な内容であり、同時に充実した内容だったと思います。


参加者一同

まず初めに、刈払機の怖さを学びました。
・堅く太い木材を切るチェーンソーでは死亡事故の例がほとんどないのに対して。柔らかく細い草を切る刈払機では多くの死亡事故例があること。(この日は過去の大変痛ましくぞっとする死亡事故2例が紹介されました。)
・エンジンのかかった刈払機を持つ人を近くで見ると恐怖心が芽生えるが、いざ自分が持つ側になるとその恐怖心が消えてしまうこと。(人を変える・・・)
・作業中はかなり視野が狭くなり周りが全く見えなくなること。などなど・・・

朝6時前に起床し門川から高岡へ向かった為、午前中の講義はきっと居眠りしてしまうだろうという心配があったものの、そんな心配する必要がないほどの目の覚める内容でした。きっと素人の私だけに限らず、参加されていたベテランのボランティアスタッフの方々も改めて目の覚める内容だったのではないかと思います。

その後、刈払機の構造や特性、取り扱い方や整備・保管方法、グループで作業するときのルール、地域で主流となる刈払機の形式型が違う理由、生物多様性の森づくり等の講和があった後、昼食・休憩を挟み、午後からの実技研修が行われる一里山への移動となりました。

がしかし、いざ研修が始まると、午前中の講義内容で完全に怖くなってしまった私はエンジンのかかっていない刈払機を持っている人を見るだけ固まってしまうような状態で、遠くから参加者の研修様子を見学している時間の方が長かったような気がします。

誰でも簡単に手に入れられ、資格の要らない道具であるからこそ、使用する一人一人がこういった研修に積極的に参加して自らの知識向上に繋げていくべきだと考えさせられる研修でした。主催者の皆さま、本日はどうもありがとうございました。

子どもの森HPより

平成21年9月19日、20日 間伐講座in椿山森林公園

参加団体:ロキシーヒルの会、宮崎グリーンヘルパーの会、水源の森づくりをすすめる市民の会、NPO法人子どもの森、NPO法人ひめしゃら倶楽部、大塚台緑化里山整備実行委員会、NPO法人どんぐり1000年の森をつくり会 (計7団体)
オブ参加:宮崎県自然環境課、宮崎県緑化推進機構
場所:宮崎市椿山森林公園内椿山キャンプ場

 お天気にも恵まれ、17名の勇者の参加をいただき、無事講座終了となりました。
 宮崎中央森林組合の延べ6名の方々によるご指導のもと、2日間の充実した間伐実地研修となりました。今まで、ボランティアとして森を見つめてきましたが、今回の研修では林業従事者としての視点で森に接して、改めて、宮崎の林業の実情を学ばせていただいたのは貴重な経験となりました。そして、もちろん懇親会も盛大に楽しみました。やっぱり、森づくりの仲間たちはいいものだなあと感じた2日間でした。

森づくり通信 No.13より


図師会長のあいさつ

実習するスギ林

<講座概要の報告>
@下層木の伐採・除去
 スムーズな倒木のため、また事故防止の「ため、人の存在を確認する見通し確保のためにも必要な作業。
A選木
 傷あり、幹曲がりや二股、成長の悪い木等を見極めながら、切った後の林内が全体的に均一な間隔が出来るよう切る木を決める。
B伐倒
 伐倒木の状態確認、伐倒方向と退避場所を決定後、受け口を切り始める前には樹高の1.5倍以内に他の作業者がいないか等確認した指差し呼称を実施する。受け口に続き追い口を切り伐倒する。木が倒れ始めたらすばやく退避場所へ退避する。

わくわくの森 第26号より


下層木の伐採・除去

伐倒

 参加者感想 
・楽しいが危険であった。今後、協議会の皆で集まって木の名前を覚えたい。
・初めてチェーンソーを使った。木を倒すのは気持ち良いが、見てるだけでいい。
・チェーンソーは10年くらい前から使っているが、自己流で本当の機能について良く分かり勉強になった。これで、大きな木も切れそう。
・見るとやるのとでは大違い。安全を意識しながらの良い研修ができた。実際に使えるロープワークとか、子供たちを集めた事業も必要だと感じた。
・山の仕事の危険を再認識した。技術的なものもあるが、死んだら何にもならない。今後の活動に全力を尽くしたい。
・リスクアセスメントの徹底。楽しく安全に活動する為に、事故防止をもっと考えるべき。
・15年生くらいの森林ならば、鋸による間伐が可能である。今後も協議会として、継続的に取り組んではどうか。1回きりではもったいない。


参加者一同

平成21年6月13日、14日 第8回通常総会&研修会

出席加盟団体:宮崎グリーンヘルパーの会、水源の森づくりをすすめる市民の会、MFV会、NPO法人ひめしゃら倶楽部、大塚台緑化里山整備実行委員会、NPO法人どんぐり1000年の森をつくり会、NPO法人ひむか里山自然塾、ロキシー・ヒル、日本熊森協会宮崎支部、日向市ふるさとの自然を守る会、環境ボランティアグループ環の会、NPO法人子どもの森、ふる里のどんぐり森づくりの会、にわとこの会 計14団体
オブ参加:宮崎県自然環境課、宮崎県緑化推進機構
開催場所:日南市酒谷コミュニティーセンター(にわとこの会)

6月13日

(1)にわとこの会フィールドの見学
にわとこの会のフィールドである「快気祝いの森」を見学しました。いろいろな記念植樹が多くあるフィールドで、綺麗に整備された森でした。今回の協議会総会を記念して、にわとこ会が梅の木とツツジの植樹を行いました。

(2)研修会「小さな自治と足元学で地域づくり」日高茂信(やっちみろ会代表)さん
1.はじめに
酒谷地区の概要:日南市の北西部位置(市中心より13Km)で旧酒谷村。戸数618戸、人口1332人、65歳以上の高齢化率45.9%
私の活動理念:@自分たちの地域は自分たちで、A目的と手段をしっかり見抜く、B自分のためでなく地域のため、C楽しみながら取り組み
目的:「酒谷に生まれてよかった」「酒谷に住んでよかった」「自信と誇り」と思える地域にしよう。
2.活動の展開過程
資金づくり:@露天商(とりの炭火焼)、A会費(会員)
話題づくり:@日南ダムに鯉幟、A講演会、Bオカリナ演奏会、C資源の掘り起こし(物、人ほか)
地域環境の創造:@植樹活動(桜、アジサイ、百日紅、彼岸花など)子供たちを巻き込みながら、A自然林、水の保全
地域資源(掘り起こし)の活用:大谷の石橋、小布瀬の滝、坂元の棚田、酒谷城跡、番所跡、神楽、清流に点在するわさび田、人材発掘育成
※地域主導で活動する。マスコミの上手な活用。
3.地域づくりの発展条件
地域づくりの発展条件:@やっちみろかい酒谷の位置、A地域住民への説得、Bたまにはホラを吹く
地域づくりと行政の関係:@行政職員も仕事の範囲が広くて苦労している批判ばかりでなく理解し協力する、A行政マンを教育する、B意見はしっかり述べる
地域内組織の連携:酒谷地区村おこし推進協議会、道の駅酒谷、棚田保存会、小中学校、消防団、やっちみろかい酒谷、その他
※リーダーは地域情報全般を把握するように努める。
地域間の連携(ネットワークの構築):@情報の交換、Aアイデアの収集、B元気づくり、C研修会等への積極的参加
4.行政マンからと地域づくり団体との係わり
@会議は夜開催する、A前例は捨てる、B発想の転換
※行政マンも地域に帰ると一人の住民である。

(3)太平踊
酒谷コミュニティー体育館にて、伝統芸能太平踊保存会による太平踊が披露されました。太平踊りは、侍と奴が、毅然とした武士の気品と元禄の優雅さ、伝統と格式の高さを今に伝える郷土芸能です。

(4)懇親会
懇親会の中で、各団体の自己紹介が行われ新規加盟団体も含めて加盟団体の懇親が図られました。

6月14日

(5)坂元棚田
総会が始まる前の朝早くに、にわとこの会地元の坂元棚田を見学しました。坂元棚田は、昭和3年から10年間かかって開墾された石積みの棚田で、棚田100選に選ばれています。馬耕農業の最後の時期に作られた石積み棚田としては比較的新しい棚田で、棚田開墾で土の中からでてきた形の異なる自然石をほぼ垂直に高く積み上げた美しい景観を誇っています。今年は水不足で、一部の田にしかに水が張られておらず、まだ田植えが終っていないとの事でした。また、年間3万5千円で棚田オーナー制を取り入れているそうです。

(6)第8回通常総会
1.20年度決算報告、20年度予算案について
 協議会主催の「総会と講演会」「船に乗って学ぼう」「宮崎市環境フェア」「森から海までシンポジウム」の報告が、パワーポイントにより報告がありました。収支報告は、協議会決算分の約83万円と森林づくり団体活動支援事業(宮崎県緑化推進機構)分の約177万円の報告がありました
2.平成21年度の活動について
 事業計画は、「講演会(6月13日、14日)」「間伐現地講習会(9月19日、20日)」「講演会(22年1月)」の提案がありました。今後、具体的な実施内容については、理事会で検討されていきます。
3.役員改正
 会長:圖師哲夫(ロキシーヒル)
 副会長:岩倉尚哉(宮崎グリーンヘルパーの会)
 理事:横山謙一(子どもの森)、前原満之(水源の森づくりをすすめる市民の会)、二宮信(ロキシーヒル)、村上峯雄(大塚台緑化里山整備実行委員会)、飛松國輝(どんぐり1000年の森をつくり会)、飯干喜恵(ひめしゃら倶楽部)
 監事:児玉暁子(MFV会)、菊池武志(にわとこの会)


快気祝いの森での参加者記念撮影

会長による植樹

屋外ステージにて日高さんの講演

太平踊り

懇親会

坂元棚田全景

棚田にて説明

総会

平成21年6月6日 協議会の森下草刈

参加団体:ロキシーヒル、子どもの森、宮崎グリーンヘルパーの会、水源の森づくりをすすめる市民の会、大塚台緑地林里山整備実行委員会 (約20人)

 みやざき森づくりボランティア協議会が、一般参加者を対象にした初めての講演会「森から海までシンポジウム」を記念して、畠山重篤さんと中村文明さんも一緒になって植樹をしたフィールド(ロキシーヒル内の「みやざき森づくりボランティア協議会の森」)の下草刈を実施しました。また、宮崎グリーンヘルパーの会と水源の森づくりをすすめる市民の会は、ロキシーヒル内にある自団体フィールドの下草刈を同時に行いました。

作業に入り前には、必ずストレッチ体操をします。
各団体が自フィールドの草刈りをしている間に、協議会の森は狭いため、2人で下草刈は終了しました。

平成20年10月5日 宮崎市環境フェア「地球温暖化防止活動推進フェスティバル2008」

≪協力団体の紹介≫  報告:飯干
横山謙、横山純(子どもの森) 、樫元(水源の森づくりをすすめる市民の会)、飯干(宮崎グリーンヘルパーの会)、持原、濱田、脇元(MFV会)、森永(友情協力)

 宮崎市環境フェアは、昨年の生目の杜はんぴドームから、今年はフローランテ宮崎へと場所を移して開催されました。移り気な秋の天気を心配していたら、予感的中の雨でした。おまけに、設営のミスにより、電源がうまくとれなかったり、テーブルやイスの不足などと、ハプニングも続出でありました。しかし、どうしたことでしょう、それでもスタッフは楽しみました。
 各団体のご協力により8名のスタッフが、「どんぐり双六」と「どんぐりクラフト」を来場者と共に楽しみました。午後からは、雨も上がり大盛況となりました。昨年の経験を生かし、スタッフをそろえ、規模を拡大せず、クラフトには、5名を限度として回転させ、クラフト材料を限定して取り組み、順番を待っている方には、どんぐり双六を楽しんでいただきました。約100名の皆様の来場をいただき、多くの子供達に、素晴らしく、個性的な数々のクラフトの作成を楽しんでもらいました。
 今年は、図書館で「森林づくり企画展」が開催されているため、掲示物は、少なめでしたが、人的余裕があったため、協議会活動への普及啓発に取り組む余裕が持てたのが、よかったと思います。そして、何より子どもの森の横山純子さん考案の「どんぐり双六」やクラフト作品の完成度の高さは、来場者やフェア実行委員の方々からも称賛を得ました。準備から、後片付けまで各団体の協力により進められたことに心より感謝申し上げます。スタッフの皆様お疲れ様でした。

平成20年7月12日、13日 船に乗って海を学ぼう

参加団体:宮崎グリーンへルパーの会

 進洋丸体験乗船を活用して、海と山の環境について学習会を開催しました。一般公募参加者17家族37人を宮崎グリーンヘルパーの会(7人)でお世話をしました。詳しい報告は、「森づくり通信7号」に掲載しています。


参加者全員でゴミ拾い

マリンスポーツの体験

平成20年6月21日、22日 第7回通常総会&研修会 子どもの森(森の学舎)

21日
(土)
12:00 森の学舎(旧西門川小松瀬分校)集合
12:30 子どもの森の森づくりフィールド見学
15:00 講演「農山村振興とT型集落点検」講師:徳野貞雄氏(熊本大学教授)
17:30 夕食準備、入浴(希望者のみ)
18:30 夕食、懇親会
24:00過ぎ 消灯
22日
(日)
 7:00 朝食準備
 8:00 朝食
 9:00 理事会、その他は散策等自由行動
10:00 総会
11:30 解散

子どもの森の森づくりフィールド見学

 雨の中、本年度の研修と総会の開催を引き受けたNPO法人子どもの森の実践フィールドを二か所を、子どもの森横山代表に案内していただきました。
 12時半に環境教育施設である“森の学舎”を出発し、門川高校と合同で取り組んでいる“GOKANの森”(平成19年3月植樹)を案内していただきました。現地では、黒木教諭と門川高校生徒の後藤君ら二人が、説明をしてくれました。門川高校では40haほどの実習林をもっておられるとのこと。生徒たちの手作りの階段や東屋(野鳥観察のため)のベンチなど、急峻な杉林の中に、素晴らしい環境教育のフィールドが存在していました。東屋から眺める対岸の森の景色も素晴らしいフィールドです。学校林として現在、すべての活動が縮小方向に向かっている現実が残念であり、ここの実習施設だけは、どうにか残したいと黒木先生も語っておられました。自然環境を守っていくという重要な課題を次世代に残している現代の教育が、どうして縮小方向に向かうのか、維持費という経済面だけで答えを出している現状がとても残念でした。どんげかせんといかん!!
 次に、ふたつ目のフィールドである西門川三ヶ瀬の植樹地(平成18年3月植樹)に案内していただきました。雑木林の先に、手作りの木製樹木名プレートが、混合林となっている杉の下層に植栽された広葉樹の森の中で、見学者をやさしく迎えてくれる癒しの森でした。下を小川が流れ、対岸の棚田と、素晴らしいロケーション。民有林ということで、地主さまとのつながりを大事にした手作りのフィールドがそこにありました。地主さまも下草刈りを一緒にしており下草があまり繁茂しておらず、木々の成長具合も良いようで、ネイチャーゲームやクラフト創作活動に、このフィールドを活用されているとのことです。ここで、手作りの看板のもとみんなで記念撮影を行い、フィールド見学は終了となりました。
 横山代表、雨の中ご苦労様でした。雨男なのね??
 (事務局:飯干)
GOCANの森(門川高校との合同)


こどもの森(混合林)
 

講演「農山村振興とT型集落点検」(森と農山村のかかわり)

講演は、秋葉原で起きた殺人事件の話からはじまりました。あの人は、殺人を犯す前の3日前から当日まで、他の人と食事を一緒にしたのだろうか?人と食事をするような環境、あるいは交友関係があれば食事しながら話すうちに、人を殺すことを思いとどまることもできたかもしれない。人との関係が薄くなり、また、会社も、昔のような終身雇用から短期雇用が多くなり、人とのつながりが急速に薄くなっている。そのようなことも一因ではないかと話されました。

昔は、村で人との付き合いを学んで、都会に出て行って、そして会社は終身雇用だったので、先輩、後輩、上司、部下の付き合いが、仕事以外でも色々できたが、今はそれが薄れてきている。(なるほど、それも確かにありそうなことですね)

過去には都会の生活は良い時期もあったが、今、決して都会での生活が良いとは限らない。便利だし、仕事があるが、人の幸せはそれだけではない。田舎に仕事がないと言うけれど、都会と同じような給与をもらおうとすれば確かにないが、田舎では給与は安くてもやっていける。おじいちゃん、おばあちゃんは都会に住んでいる子供に帰ってきて欲しいと勇気を出して言ったらいい。同じ地区に住まなくても、一時間以内ぐらいの所に町があれば、そこでもよい。そこから時々帰ってきてもらえばいい。帰りには作った野菜や米を持たせればいい。都会では、出生率は低いし、今回の秋葉原のような事件も増える恐れがある。昔と違って、いつリストラされるかも知れないし、生活も安定しなくなっている。(これがT型集落点検の原点のようです)まだまだ、レポートできないほど続きがあります。

徳野先生の講演には、地区の人も来ていました。先生は「近くに帰ってきて欲しいと言わないとダメだ!あなた達が年老いて村を離れて、施設にはいったらすぐにぼける。施設に入って幸せはない。ここにいることが幸せだと自分自身で分かっているでしょう」と。確かにそうだけど、その人達が、子供達に近くに帰ってきて欲しいというのは、とても勇気のいることだと、思いました。先生は、だから強い調子でそれを促されたのでしょうね。

地域興しのボランティアについては、難しい面がある。ただ、その地域の人たちとの交流で、地域の人が刺激を受けたり、元気になったりするのは良いことだ。もう一つはその地域に、核となるリーダーがいれば、次につながるが、そうでない場合は、その地域が今後どうしたらよいのか、気が付くような方法を考える必要がある。住んでいる人は、自分の住んでいる所の良さに気が付きにくい。

徳野先生は熊のような体型で、声が大きく、次から次に話が出てきて、2時間半以上の熱弁で、いつ終わるか限りがないような感じでした。もっと話を聞きたかったのですが、スケジュールの関係があるので、「先生、そろそろ終わりましょうか」と声をかけました。
(担当:岩倉)


徳野貞雄教授

講演の参加者は約60人

夕食・懇親会

 徳野先生と数名が、門川温泉に入浴に行っている間に、すでに夕食・懇親会が始まりました。夕食の献立は、おでん・串焼き鶏その他で、バイキング方式。それぞれが好きなものをとって来て食べました。途中、詩吟や歌などが飛び出し、宴は夜中12時過ぎまで続きました。

総会

出席団体:ロキシー・ヒル、MFV会、高千穂森の会、延岡アースデイ、子どもの森、水源の森づくりをすすめる市民の会、宮崎グリーンヘルパーの会、日向市ふるさとの自然を守る会、どんぐり1000年の森を作る会、宮崎県自然環境課(廣津)、宮崎県緑化推進機構(服部、他)

1.会長あいさつ
 協議会が発足して、5年ほどたちました。これまでいろいろな活動をしてまいりましたが、これからは、若い人の新しい考えも取り入れて、協議会も変わっていく時代に来ていると思います。そのために皆様の協力をお願いします。

2.19年度事業報告
 岩倉理事から、プレゼンテーションデータを使って、下記の活動報告がありました。
@日向市ふるさとの自然を守る会主催による19年度総会第6回通常総会と研修(広葉樹の森づくり):日向サンパーク・オートキャンプ場
A第8回全国源流シンポジウム「八百万の神が集う九州島発祥の地」:10月27日、28日 五ヶ瀬町
B宮崎市環境フェア:12月8日 宮崎市の生目の杜運動公園はんぴドーム
C第13回森林と市民を結ぶ全国の集い:3月8日、9日 福岡市

3.19年度決算報告と森林づくり団体活動支援事業について
 飯干事務局から、協議会独自決算と緑化推進機構による補助事業決算の報告があり、その後、児玉監事より会計監査報告がなされました。

4.緑化推進機構からの報告
 緑化推進機構から、平成19年度森林づくり団体支援事業と経費決算と平成20年度森林づくり団体支援計画と経費予算の説明がありました。

5.平成20年度事業計画案と予算案について
 飯干事務局から、下記の事業計画案の提示がありました。
@「農山村とT型集落点検」講演と平成20年度総会について(6月21日、22日)
A「船に乗って学ぼう」実習船「進洋丸」体験乗船(7月12日、13日)
 岩倉理事より、「スタッフ乗船は人選が終っているが、一般参加として親子2組の空きがあるので、協議会加盟団体の会員で希望者は連絡を。もし希望者がなければ一般公募する」と補足説明があった。
B宮崎市環境フェアー(10月4日、5日)
 昨年度までは、スタッフとして参加してくれる協議会加盟団体の会員が少なく人手不足となっていた。今年は、多くの方の協力が欲しい。
C森から海までシンポジウム「ざぶん賞」入賞作品展示会と表彰式(11月〜21年2月頃)
 ざぶん実行委員会が主催で、水環境に関するイラスト等を小中学生から募集して、その作品の提示と表彰式を実施する団体に応募したい。昨年度は栃木県の団体が実施して70万円の費用がかかったので、宮崎県で実施したら100万位はかかると思う。
 出席者より、「直接の森づくり活動からやや逸脱する、予算の裏付けや事務局が大変忙しくなる、大丈夫なのか」、「水環境は森林に関係するので協議会としての取り組みとして良いと思う」、「協議会の更なる前進としての取り組みとなるので協力して行きたい」等の意見があった。
 飯干事務局や横山理事から、「企業助成金の申請をして予算を確保する」「今年度の状況をみながら費用の捻出の予定がたてば取組んで行きたい。場合によっては、取り組みを止めることもある。」と補足説明があった。
 圖師会長から、今後理事会で実施できるかできないかも含め検討していきたいと提案により参加から一定の理解を得た。

6.その他
@新加入の団体の報告
 環境ボランティアグループ環の会(串間市)、ひむか里山自然塾(宮崎市)
AHPの活用について
 活動カレンダーにより団体同士の顔が見えるので積極的に活用して欲しい。各団体の森づくりフィールドの写真と地図を事務局まで送って欲しい。会員専用ページのパスワードをより強固にする。


夕食・懇親会

会長あいさつ

プロジェクターにて事業報告

総会の参加者は約30人


総会と研修会の会場となった「森の学舎(まなびや)」
子どもの森の活動拠点(旧西門川小松瀬分校)

平成20年3月8日、9日 (第13回)森林と市民を結ぶ全国の集い

参加団体:宮崎グリーンヘルパーの会、ロキシーヒルの会、水源の森づくりを すすめる市民の会、高千穂森の会

 研修として、福岡市で開催された「第13回森林と市民を結ぶ全国の集い」に参加しました。3月9日の第3分科会(森林ボランティアの最前線を探る」に、圖師会長がパネラーとして招かれました。


平成19年12月8日 宮崎市環境フェア

参加団体:MFV会、子どもの森、水源の森づくりをすすめる市民の会、宮崎グリーンペルパーの会
出展報告:MFV会 飯干喜恵


森のことをもっと知ろう木の実クイズ

ドングリ工作

 宮崎市環境フェアは、12月8日、9日の二日間、宮崎市の生目の杜運動公園・はんぴドーム(ソフトバンクホークスでお馴染みの)で開催されました。
 8日には各団体のパネル展示、どんぐり工作、森のことをもっと知ろうクイズを行い、9日はパネル展示のみといたしました。
 まず8日は、午前8時30分から搬入を行い、10時の神武こども太鼓での幕開けとなりました。が、しかし、私たち森づくりボランティア協議会のブースは、昨年の地球温暖化防止フェスティバルの時を上回る多くの来場者で大盛況となり、楽しみにしていた他のブースを見学することもなく、ステージを楽しむ余裕もなく、5人という少ないスタッフで息切れしながらも、どうにか乗り切ったというような状況でした。・・てげ、疲れたじー!!(歳には勝てないと感じましたね。)
 協議会のブースは、“森のことをもっと知ろうよ”をテーマに、どんぐり工作(子どもの森の横山、MFV会の飯干)。木の実クイズ(水源の森を守る会の樫本、MFV会の臼井)、そして、何でもやさんの岩倉事務局長を隊長として、戦い抜きました??
 木の実クイズは、横山さんの手作りのキットで、緑化推進機構より景品の提供を受け、参加者と一緒に本を見ながら答えを導いていくという、今回のテーマを十分に満たした内容であり、あっという間に景品も無くなるという盛況ぶりでした。
 どんぐり工作は、うーん・・ビミョウ。大、大、大盛況でした。大変疲れました。反省点・・多数ありというところ。スタッフの少なさに加え、無料で気軽に作れるという状況が、参加者のマナーを悪くさせているのではないかということを感じました。待っている人がいるのに、長い時間滞留する。材料の持ち帰り、道具を大切に使わない等。このようなことから、終了時の反省会では、来年以降、また出展するのならば、もっと、森への気付きや森づくりのコーナーを充実させ、その展示を見学していただいた後に、工作にチャレンジしていただくという方法がいいのではないか、限られた材料での作成、申し込み制にしてはどうか等、いくつかの反省点が見つかりました。協議会の各団体が一緒に取り組むわけで、準備に時間が裂けない事、イベント実施の情報が各団体に周知されているのか等、スタッフが足りないが為の意見もでました。
 出展ブースの見学は全くできませんでしたが、昼食に、屋外テントの食と自然の体験ゾーンで、美味しい食事をいただき、リュース食器にうなり、デポジット食器返却コーナーでは、100円の返却に儲かった気分になりました。単純でしょうか。ただ、素晴らしい天気なのに、どうしてドームの中で環境を語るのかがわからん!。やっぱ青空の下、屋外でするべきだろう。このよい天気がもったいないじゃないかなどと、ちょっぴり感じた私でした。
 何はともあれ、皆様お疲れ様でした。それなりに楽しかったです。

ドングリ工作をした子どもたち(作った作品と一緒に)

平成19年10月27日、28日 第8回全国源流シンポジウムin五ヶ瀬町
 「八百万の神が集う 九州島発祥の地」

参加者の所属団体:ロキシーヒル、宮崎グリーンペルパーの会、MFV会、水源の森づくりをすすめる市民の会

 今年、宮崎県五ヶ瀬町で開催されることになった第8回全国源流シンポジウムに、協議会の研修として参加しました。


参加者記念撮影

《 報告者:ロキシー・ヒル 二宮信 》

早朝に宮崎を出発

 朝7時50分に宮崎駅東口に集合、マイクロバスにて出発する。総勢19名(途中で西都から乗車が、図師会長と水源の森の倉爪さんの2人、日之影のよっちみろ屋で乗車が、梅下さん)の約4時間の行程だった。
 途中バスの中で自己紹介があり、それぞれの所属団体と活動の様子が報告された。
 参加者全員が、森づくりに関わるポランティア団体からの参加で、今回のシンポジウムに対する期待はかなり大きなものと感じられた。
 私達が行っている森づくりと源流(水)は切り離して考えることはできないものです。特に県北の手つかずの自然を残す五ヶ瀬町の山々のことを思い巡らしながらのバスの旅であった。


尾前さんの解体作業を熱心に見つめる図師会長

大勢の参加者が見守る解体作業

今回のシンポジウムの仕掛人・秋本治氏の挨拶

会場の真ん中でディスカッションをするパネラー

会場となった荒踊りの館

いきなりイノシシの解体を見学する

 12時10分頃に、会場となる五ヶ瀬町荒踊の館に無事到着する。
 旅の疲れをとろうと手足を伸ぱす間もなく、会場建物の前の広場には、人だかりができている。
 テントの中では、尾前さんがナイフを手に説明をしながら、イノシシを解体している。約80キログラムほどの大きなイノシシだ。
 たくさんの見物の人が、静かに見つめていた。
 尾前さんの話によると、14歳の時に猟師だったお父さんが亡くなった。その時すでに尾前さんは、お父さんの仕事ぶりを見ながら、その技術を教えてもらうのではなくて、目で見て盗むというような方法で、技術と神事の伝統を完全に身につけていたという話を興味深く聞かせてもらった。
 この地域に伝わる山の神への畏敬の念を表わす神事を自信をもって後世に伝えていく猟師・尾前さんの言葉の迫力には、イノシシの頭もあまり追力がないと感じるのであった。
 解体の中心となる人物は椎葉から来られた猟師の尾前さん。昔から伝統として親から子へ、子から孫へと引き継がれてきた、神を祭り猟の成功と感謝を表わす神事のための解体は、厳粛な気持にさせてくれた。

シンポジウム開会

 午後1時よりシンポジウムのスタートとなった。
 五ヶ瀬町長の飯干町長の挨拶に始まり、実行委員長である地元の秋本治氏が今回のシンポジウムの主旨説明や五ヶ瀬町のことを述べられた。
 基調講演は東京大学名誉教授の月尾嘉男先生が「自然再生:生命圏域からの発想」と題して講演された。
 約1時間半、都市、産業、人間、自然など地球の上で営まれているさまざまな事柄をグラフをもとに、どのように変化しているのか、そして、生命の源として位置づけることのできる源流がいかに生命を育んでいく力を持つのか、新しい視点からの講演だった。
 また、基調提言として国土交通省河川環境保全調整官の小俣篤氏が登壇し、駆け足で日本の河川の現状とこれから行政としてどう関わっていくのかを、スライドを使って提言された。
 ちょっと早すぎる話で、解りにくかったと感じている。
 午後3時からはパネルディスカツションが始まった。
 山道省三コーディネーター。
 林野庁、文部科学省、(財)国土緑化推進機構と「森の聞き書き甲子園」を主催して、複数企業の支援のもと、高校生と森の名人達を繋げる事業や、都市と山村の交流、山村同士の交流を目的とした「日本山村会議」などを手掛けている渋澤寿一氏。
 宮崎県出身で多摩川源流大学の運営委員をしている中村文明氏。
 会場の前で解体をしていた椎葉村の狩猟儀礼作法を代々伝承してきた尾前善則氏。
 熊本県の緑川の源流の山村に生まれ、「九州ハイランドインストラクター協会」を設立し、山の案内や自然保護活動を続けている奈須昇氏。
 グラフィックデザイナーからカヌーの指導者など五ヶ瀬自然学校を設立した杉田英治氏。
 五ヶ瀬で生まれ現在やまめの里の杜長を務める秋本治氏の7人に小俣氏を入れて8人がパネラーとなって、会場中央に設営されたステージで聴衆に取り囲まれての会となった。
 冒頭、秋本氏が源流のことや五ヶ瀬の歴史的な面、地形的な面、文化的な面を解説して、それから参加者個人の活動や思いが語られるという形式で始まった。
 奈須氏は、本来ならぱ切ってはいけない、手をつけてはいけない保護林の山に散策できる道を作り、当時の営林署から注意を受けたが、その道により自然を人が身近に感じることができ、保護の活動も広がってきたことを話された。おかげで、以前、山で遭難した人を助けることができたのは、この道があったればこそという附則説明もあった。
 また、今まで緑川の源流から河口までを保護する活動が続けられてきたのは、いろいろな団体の協カがあったればこそで大変感謝しているということも話していた。
 猟師の尾前氏は、地元の言葉で最近の狩猟はハンターという遊びの人と一緒に猟場に入らなけれぱならなくなり、生活者である尾前氏は今年銃を返上し、猟師生活を止めたことを話された。その伏線にあるのは、猟師の受け継いできた言葉「のさらん福は願い申さん」という本物の猟師は捕り過ぎず、欲張らず、感謝の念を常に持ち、狩猟をしているが、ハンターという偽物の猟師は、その伝統的な心もなく動物をハンティングするということへの怒りが、時間が押しているにも拘わらず、「今日こんなに人が集まっているので、最後になるかもしれないから語ります」と言われて話された。この人の執念に聴衆も心に残る話となったと感じた。
 中村氏は、地域に残る地名を源流付近に住む古老などから聞き出し、マヅプ作りをしながら、歴史と自然の伝承に力を入れているという話をされた。現在、地名などが行政によりないがしろにされる傾向にある中、地名とは本来の自然と人々の暮らしを連携し残してくれるものだから、非常に大切なものだと改めて感じさせられた。
 渋澤氏は、高校生が土地の森の名人達と語り、名人達の持っているものを残していこうとする活動により、意欲的に地域と拘わってくれることを話された。仕掛人としての苦労は相当あっただろうと思うが、教育にも森がこういう形で役立つことがあるのだなあと、森づくりからまだまだ発展していく何かがあると思った。
 杉田氏は、子ども達にカヌーなどで水を体験させる時の厳しさ、楽しさ、あれこれ言わずに墓本的なことだけを注意してあとは自主性に任せていくことが大事だということを話された。考えさせることで、より積極的に自然への思いや畏敬の念が芽生えるのではないかと思い、これもまた一つの方法なのだと思った。
 懇親会では、地元の人々による心影無双大車流棒術の演舞や古戸野神杜神楽、山伏問答などで締めくくられた。
 このシンポジウムのために、地元の人々が神事で解体されたイノシシで猪汁を振る舞ってくれて、とてもおいしくいただけた。煮付けの里芋も山里ならではの料理で「もてなしの心」を十分味わわせてくれる懇親会だった。


心影無双大車流棒術の演舞

古戸野神楽

山伏問答

シンポジウムの感想

 今回のシンポジウムで感じたことは、人間は自然を征服して、人間のためのユートピア作りを目標としてきたと思う。
 しかし、現代の我々が、大雨が降れば川をコンクリートで護岸をし、山が崩れたといえぱ、斜面をコンクリートで覆い、作物を育てるために農薬をまき、死にかけた人を人工呼吸器などで延命しようとするその行為は自然及び地球にはいかほどの影響もないのではないか。
 いくらコンクリートで固めて、人間の安全と生活を豊かにしようとしても、自然を破壊して作られたものは、きっと将来、いや、現在でも相当に自然からの反攻により、人間の生活もしにくくなっていることは間違いない。
 自然を理解し、自然の力を借りて人間は生き残ることを考えていかなければ、未来の子供たちに何も残せなくなってしまうのだろうと重く感じるシンポジウムだった。


霧立越えの紅葉と参加者

2日目 お見送り体験ツアーへ

 翌日の「お見送り体験ツアー」には19名の人が参加して、五ケ瀬スキー場から白岩山山頂までの「霧立越えの道」を約4時間ほどの行程でゆっくりと秋本氏の丁寧な説明を聞きながら山歩きとなった。
 五ヶ瀬ハイランドスキー場は一般道から特別に林道をバスで登り、ゲレンデまで直行する。
 ゲレンデの斜面には、鹿の糞がころがり、ここでも鹿害は深刻な間題となっていると案内役の秋本氏は話しておられた。
 ハッカのような独特の匂いを葉から放つネジメザクラ(?うる覚え)の匂いを嗅いだ後は、霧立越の山道に向かい急な斜面を持つゲレンデを登る。
 30mほど登るとそこからは、尾根伝いに歩道があった。もっと急な道やかなり荒れた道なのだろうかと思ってきたが、案外歩き易い道であった。
 いろいろな所でブナ林。ブナ林と言われてどんなものだろうかと思いながらやって来たのだが、ここのブナの巨木は、人を圧倒するほど空へ向かって大きく育っていた。葉脈が苛酪な自然の中で生き残るために、ギザギザの葉の谷の部分に向かって伸びていて、水分の蒸発を防いでいること。そして、種は、数年に一度しか実らせない。禽獣の餌として食べられないように彼等が工夫してきた結果だと秋本氏は言われた。なるほど、それでこうしてこんな山の上に自分達のテリトリーを守ってきたのかと、感心させられた。
 この道は昔から熊本と日向との交通の要所ということで、馬の背に荷駄を着けた、駄賃付けの馬たちが多く通った道だという。
 一駄が約60キログラムだそうで、酒を運ぶと樽のタガを緩めてかすめ取る駄賃着けもいたそうだという面白い話も秋本氏が説明してくれた。
 ブナやカエデ、イチイなどの巨木に出合い、またその紅葉の美しいことといったら、今回このツアーに参加して始めて体験できたもので、またこの森に会いに来たくなる風景だった。
 隆起と侵食により石灰岩質の山は人の足を踏み入れることを長く拒んできたのだろう。自然のままに寿命がきた木々は山道に倒れ、また長い年月ののちに土に還るのだろう。そこからまた新しい生命が生まれ、侵食により削られていく山に自分達の子孫を残そうと永々とくり返すだろうと思うと、我々人間の微々たる自然保護の活動がなんと短く、極地的なものかと思わざるを得なかった。しかし、それでも一人一人が少しずつ活動をしていくことに意味があると改めて思った体験ツアーとなった。


白岩山の最初の頂上にもうすぐ到着

山頂の岩に登り四方を見渡す

色づき始めたブナやカエデの大木
美しい風景を見せてくれる

歩道を下ると所どころに風倒木が転がっている
これもまた自然に任せてある


お見送り体験ツアーその2(九州のグランドキャニオン蘇陽峡カヌー体験)

平成19年6月16日、17日 第6回通常総会
 日向市ふるさとの自然を守る会(日向サンパーク・オートキャンプ場)

参加団体:ロキシー・ヒル、MFV会、高千穂森の会、延岡アースデイ、子どもの森、水源の森づくりをすすめる市民の会、宮崎グリーンヘルパーの会、日向市ふるさとの自然を守る会、宮崎県自然環境課(廣津、天本)、宮崎県緑化推進機構(千知岩)

講師の福里さんの話しを熱心に聞いています
「日向市ふるさとの自然を守る会」の大野さんから
植樹地について説明の後、参加者全員で視察
圖師会長(総会)

6月16日 研修(広葉樹の森づくり)

 講師:福里和郎氏(宮崎県林業技術センター育林環境部長)
《感想》(子どもの森:横山純子)
 林業者の広葉樹造林の実態の説明がありました。一番多い樹種はケヤキ、二番目がイチイガシ等、用材や造園・植栽のための樹を造林している。やはり業者のやることであるので将来売れる樹を造林しているようである。これが良いのか悪いのか、杉の造林でないので良しとしたい。私たちボランティアでの造林の考え方とは一線を画すようです。
 山での樹木の生育状況には、表土の栄養素関係と土の層の厚さに違いがあるため(麓に近い方が土地が肥え土の層が厚い)、山の麓、中腹、頂上付近では、適材する樹種が違うことを学びました。戦後の拡大造林は、適材樹木の知識がないまま行われ、同時期に大植林をしたのだから同じ時期に材として切り出すことになり、また木材輸入自由化と合間って、国産材木の価格低迷から育林が放置される結果となりました。その結果、現在のように治水のできない災害に弱い山となってしまい、日本の造林行政は間違っていたのだと思いました。
 最後に、総会のホスト団体である「日向市ふるさとの自然を守る会」の植樹地を見学しました。

6月17日 総会

1.会長あいさつ
 私たちは、何のために森づくりボランティアを実施しているのかを考えた時に、研修や活動を通して小さな努力が大きな山を作るんだなぁと思った。私たちが森づくりをするのに、何のために森づくりをするのかという、理念をしっかりと持つことが大切だ。
 また、多くの若い人がボランティアで参加してしてもらわなければボランティアが発展しないのではないかと思う。若い人にとって魅力のあるボランティア活動を考えなくてはいけない。汗ばかりかくのではなく、ボランティアが楽しみ、活動に行くのが楽しみとなると良いと思う。
 子々孫々に繋がる森づくりをして行きたい。各団体で悩んでいる事があったら意見を出して欲しい。

2.18年度決算報告、19年度予算案について
 「緑化推進機構補助決算書」を「森林づくり団体活動支援事業」に標題変更。
 会費未納の団体には、その旨連絡はするが会費を納入するか退会意志があるのかを、事務局からは進んで確認は取らない。団体の意志に任せることとする。
 意見:森林づくり団体活動支援事業で、協議会へ物品や費用弁償の形で補助されているが、金額に換算した場合の額を整理する必要があるのでは。

3.平成19年度の活動について
 下記の活動提案が出席者からでました。今後、具体的な実施内容については、理事会で検討されていきます。
・事務局を加盟団体に置くのは大変であるので、県緑化推進機構や県自然環課に任せたらどうだろうか?(会長)協議会は民主団体としてスタートしたので、行政主体で動かないようにとの考え方から現事務局体制となっている。
・宮脇昭さんの講話を研修としてはどうか。
・協議会主体の活動をやってもらいたい。協議会主体の活動は、加盟団体で持ち回りにしてはどうか。
・協議会が所有している道具を県北で管理する団体を決める。県央については、事務局で管理する。


4.役員改正
 会長:圖師哲夫(ロキシーヒル)
 副会長:樫本壽士(どんぐり1000年の森をつくる会)
 理事:横山謙一(子どもの森)、前原満之(水源の森づくりをすすめる市民の会)、岩倉尚哉(宮崎グリーンヘルパーの会)
 監事:児玉暁子(MFV会)、大野裕(日向市ふるさとの自然を守る会)

平成19年1月27日、28日 森づくり研修会(安全) 県林業技術センター研修所(美郷町西郷)

参加団体:宮崎グリーンヘルパーの会、ロキシー・ヒル、日向市ふるさとの自然をまもる会、子どもの森、水源の森づくりをすすめる市民の会


チェーンソーと刈払機の実習

1)森づくりボランティア安全研修
 山ノ上洋征さん(林業・木材製造業労働災害防止協会宮崎県支部事務長)が講師で、以下の内容の講習を受けました。

@林業労働災害の現状と災害事例
 林業の災害発生率は、全産業平均の災害発生率と比べて、14倍と非常に高く、また同時に、けがの治癒日数も4倍と長い。非常に災害が多いを知りました。また、林業の死亡災害は、全産業2、124件の内47件を占めていて、宮崎県においては、けがが81件と死亡が3件ありました。北海道に次ぐ、全国ワースト2位です。(いずれも、平成17年度データ)
A安全な伐倒造林作業
 作業時の服装は、安全帽(ヘルメット)、保護眼鏡(ゴーグル)、耳栓、呼子(笛)、袖口の絞まった長袖長ズボン、保護靴等。これからは、足りない物を用意する必要があります。
 伐倒造林では、準備作業、伐倒前の確認、作業の基本を学習しました。造林作業についは、「ためしば・ため枝は、内側からのこ目を入れてから外側から切る」「材の転動に注意し必ず斜面上部で作業する、杭止め等による材の安定」「斜面上下での作業禁止」等の今回の講習で学んだ事を守り活動をして行きたいと思います。
B安全な刈払機作業
 服装は、伐倒造林作業に同じです。刈払機作業の基本(刈払機の正しい装着、エンジンの安全な始動と停止、作業の基本動作、熱中症や蜂刺され対策)、安全な刈払機作業(キックバック、刈払位置、上下作業と接近作業の禁止、適正な刈幅と進行方向、かん木の安全な切断方法等を学習しました。下草刈りでは、刈払機を使いますので、今回の学習したことを活かし作業を実践して行きます。
Cチェーンソー作業の実技
 チェーンソーを使ったことのない参加者が、実際にチェーンソーを使って、伐倒作業を実習しました。受け口切り、追い口切り、適当なつるを残すこと等に注意を払いチェーンソーを使っていきます。

2)行事(活動)を開催するときの安全対策
 リスクマネージメントや救命救急などの講演で、各方面で活躍している竹下裕一さん(九州電力勤務)による行事(活動)の開催者としての参加者への安全対策と救命救急についての講義を受けました。
 危険・リスクに対する感性を高めるための演習とし、危険予知トレーニングも行ないました。3グループに分かれて、危険な状態が潜んでいる絵を眺め、どんな行為が危険なのかを抽出し、その危険をどうすれば回避できるのかを検討し、呼びかけ・標語の検討を、みんなで話し合いました。

3)ホームページの説明
 協議会のホームページ作成を担当した子どもの森の横山さんより、ホームページ全般と活動カレンダーとみんなの広場への情報提供方法の説明がありました。

平成18年11月18日、19日 地球温暖化防止活動推進フェスティバル2006inみやざき

参加団体:宮崎グリーンヘルパーの会、ロキシー・ヒル、MFV会、子どもの森、水源の森づくりをすすめる市民の会

 宮崎市のフローランテ宮崎で開催された「地球温暖化防止活動推進フェスティバル2006inみやざき」へ共催で参加しました。その他にも、協議会の一部の参加団体に、とうもろこし澱粉のポットを提供してくれた「有限会社エフケー殖産」や、ロキシー・ヒルと子どもの森が受賞したコカ・コーラ環境教育賞主催者賞の贈与を担当してくれた「南九州コカコーラ・ボトリング」等、環境に配慮している企業や他団体も多数参加していました。
 屋外テントにて、森づくりパネル紹介とドングリ工作を実施しました。両日とも雨の中での開催となりましたので、一般入場者が少なく(特に18日の土曜日は、100人も来たでしょうか)共催開催した団体としては、天気さえ良ければとすごく残念でした。そんな中、親子連れを中心に、ドングリ工作は、まあまあ人出もあり好評だったと思います。その他に、チェーンソーを使って、杉の丸太から椅子作りの実演を行いました。
 フェスティバル目玉である「C・W・ニコルさんの特別講演」には、テントを閉じて全員で聴講に行きました。ニコルさんは、長野県で、自ら荒れた森を購入し、生態系の復活を試みる作業を16年間行い、財団法人C.W.ニコル・アファンの森財団を設立し、多数の著書を執筆しています。

ドングリ工作

平成18年6月18日 第5回通常総会 ロキシー・ヒル

参加団体:水源の森づくりをすすめる市民の会、どんぐり1000年の森をつくる会、日向市ふるさとの自然を守る会、宮崎グリーンヘルパーの会、高千穂森の会、ロキシー・ヒル、MFV会、子どもの森


総会

●宮崎県森林環境税について(県環境森林部自然環境課の廣津和夫さんより)
 平成18年度から導入する森林環境税を財源として、県土の保全、水源のかん養など県民等が享受している森林の有する公益的機能の重要性にかんがみ、県及び県民等が協働して森林環境の保全に関する事業に取組むことを目的として事業が行われます。
 税収の使途としての「県民の理解と参画による森林づくりの推進」(森づくり応援団育成・支援事業と公募による森林づくり活動支援)が、私たちの環境保全関係ボランティア活動団体に関係があります。
 「森づくり応援団育成・支援事業」は森林ボランティア団体等の育成や県民の知恵と行動力による森林づくり活動にたいする支援を行う事業です。森づくりボランティア協議会の自主的な研修活動等(研修、広報活動、運営に係る費用等)の支援を受けることができます。
 「公募による森林づくり活動支援」は、森づくり活動の提案によって継続的な森林づくりの活動に対する補助(補助率県3/4)及び植樹活動に対する資材(苗木等)の提供があります。県民で組織された森林づくり団体等が自ら行う里山林等の管理や植樹活動等の森林づくり活動(例:植樹活動、里山の手入れ、海岸林の手入れ、竹林整理等)また、ボランティア保険、道具、募集にかかる経費、その他必要経費を補助するとの説明があり、会員からの多数の質問がありました。各森林づくり団体の今後の活動がますます活発になることができるのではと思いました。
 ただ、第三者機関の委員会が審査して採択が決定するとのことと、活動に必要な経費の4分の3以内(上限75万)の助成は、大きな事業を実施する場合には、自己資金がない私たち団体には、厳しいかなと思われます。それでも、助成はありがたいので、少しでも活動に活かしていきたいものです。

●平成18年度の活動について
 下記の活動提案が出席者からでました。今後、具体的な実施内容については、理事会で検討されていきます。
・研修をもっと取り入れたらいいのでは
・安全管理、補償問題、トラブルの解消法などの勉強会
・救急法、機械の扱い方実施講習
・若者に情報を発信していく
・大学に情報を提供していってはどうか(窓口として、大学サポートセンターがある)
・HPによる情報発信

平成18年2月18日 森づくり研修会 宮崎大学演習林(田野町)

参加団体:ロキシー・ヒル、宮崎グリーンヘルパーの会、高千穂森の会、水源の森づくりをすすめる市民の会、日向市ふるさとの自然を守る会、MFV会、子どもの森


高木先生の講習

1)森や樹の話
 高木正博農学博士(宮崎大学農学部助教授)が講師で、宮崎大学農学部演習林における森林研究と森や樹の話がありました。
 雨の60%は、川に流れ込むが、残り40%が何処へ行くのかの数値裏づけを取るために観察研究をしているとのことでした。また、宮崎に降る雨のほとんどは酸性雨である。その酸性雨を中和するのが、森林の土壌であり、森林の大切さを改めて知りました。
 生えている木の種類で、若い森と年数が経過している林の見分け方も習いました。

高木先生の講習
若い林 −−−−−−−−> 極相林(年数が経過した林)
アカシヤ
ヤマザクラ
コナラ  等が多く生えている
クスノキ
ウラジロガシ
イチイガシ 等が多い

2)演習林の案内
 宮崎大学農学部の演習林は、500ヘクタール(100m×100mの500倍の面積)あり、針葉樹と広葉樹が住み分けされた林となっています。約1時間、高木先生の案内で演習林を散策をしました。

3)宮崎県の森づくりの話題
 圖師会長から、森林環境税の導入について話題提供がありました。納税者1人500円となる森林環境税導入で、年間2億円の県税収となります。その使い方として、森林整備保全という名の公共事業で使われるのではなく、県民レベルでのボランティア等で森林環境の整備保全に汗を流しているところで、健全に使われなくてはならないと話がありました。

4)懇親会
 研修が一通り終わって、夜は懇親会が行われました。餃子と椎茸焼きと乾き物をつまみに、参加者それぞれの団体での活動内容や問題点などなど、いろいろな話ができました。そして、1時過ぎまで楽しく懇親会は続き、宮崎大学農学部田野演習林管理棟での一泊となりました。

平成17年10月15日 「みやざき悠久の森づくり」県民が集う育林祭 向陵の丘(西都市)

主催:宮崎県 協力:西都市、児湯広域森林組合

《プログラム》
10:00  式典
開会のことば
主催者あいさつ
歓迎のことば
表 彰

来賓祝辞
活動発表
みやざき悠久の森づくり県民憲章の朗読
閉会のことば

宮崎県森林部長
宮崎県知事代理
西都市長
育林コンクール
育林功労者
宮崎県議会議長
MFV会 飯干喜恵
茶臼原小学校みどりの少年団
宮崎県児湯農林振興局長
11:00  下草刈り作業(全員)
12:00  休憩 
13:00  下草刈り作業(一般参加者) 
14:30  解散


《活動発表》 飯干喜恵さん(MFV会)
 森づくりボランティア女性リーダー養成講座で学んで得た知識を活かし、今年は、高岡町の「共に学ぶ森」研修施設隣接の県有林内を借りて、ブナ科の植物園づくりに取り掛かっています。一人一人の力は小さいけれど何人もの人が集まれば、活動が可能になります。

《11時より下草刈作業》
 小雨の中、雨具を着て、汗だくになりながら斜面を登りながら下草刈をおこないました。予定より早めに作業が終わり、14時に解散となりました。


活動発表 飯干喜恵さん(MFV会)

平成17年5月15日 「全国野鳥保護のつどい」にボランティアスタッフとして参加(高千穂町)

参加団体:宮崎グリーンヘルパーの会、高千穂森の会、水源の森づくりをすすめる市民の会、ロキシー・ヒル、MFV会、子どもの森

全国野鳥保護のつどいのプログラムの一つである「早朝探鳥会」へ参加する方たちの安全確保等を目的とした引率ボランティアをしました。昨日は12時過ぎまで懇親会をしていたのに、3時過ぎには起きたので眠かったです。いろいろな探鳥コースがありましたが、コースによって野鳥の種類数が異なったようです。


全国野鳥保護のつどいでのアトラクション

平成17年5月14日 第4回通常総会 高千穂森の会

参加団体:宮崎グリーンヘルパーの会、高千穂森の会、水源の森づくりをすすめる市民の会、ロキシー・ヒル、MFV会、子どもの森桜宴會

〇総会
会員団体のネットワーク作りが本年度の方針となり、事務局を「宮崎グリーンヘルパーの会」に置く等が話し合われました。「子どもの森」と「MFV会」が正式に会員として承認をされました。
〇研修
「高千穂森の会」のフィールドを散策し、手入れされている森とされていない森の違いや、希少な植物の観察、ミョウガダケ等の山菜採取を行いました。ちなみに、山菜は懇親会の一品となりました。
〇懇親会
美味しい高千穂牛の焼肉を中心に地酒やビールを飲みながらの参加団体同士の活動情報交換と親睦が、夜遅くまで続きました。その夜は、興梠さん宅に全員宿泊となりました。


屋外での総会


平成16年12月19日 森林整備ボランティア活動 西都市聖陵町の杉林

参加団体:MFV会、桜宴會、ロキシー・ヒル、子どもの森


東米良(銀鏡神社からの景観)

西都市八重(東米良)の私有地でおこなわれました。
3班に分かれて作業を開始。
@下草刈り:まだ2メートルにも満たない杉の下草刈りを、育林鎌で約30分ほど刈りました。
A杉の間伐:2/3程度チェーンソーで切り、残りを手鋸で切る手順で、杉の間引きをしていきました。
B枝打ち:人の丈までの枝打ちをし、鹿が杉の皮を剥ぐ被害を防ぐために、落とした枝を杉の下部分に紐で結び付けました。

作業終了後は、銀鏡(しろみ)地区公民館まで移動して、地元の方との交流を兼ねた昼食を頂きました。昼食は、銀鏡の林研グループの方が、おにぎり・煮しめ・豚汁を用意してくれていました。
記念撮影後、銀鏡神社とゆず加工場の見学。ゆず加工場では、東米良の特産品のゆずを使った各種商品を作っていました。各商品の説明を受け、ゆず羊羹とゆずかりんとうの試食をさせていただきました。
森林整備をおこなった私有地の所有者の方よりしいたけと、ゆず加工所でゆずを5、6個お土産に頂きました。

山の入り口に、「関係者以外の立入禁止」の立て看板がありました。なんでも、山菜採取等で山に入った人たちが、空き缶などのゴミを放置しているので、やむなく立て看板を設置したとの事です。作業した山にも捨ててある空き缶がありました。山は公有地はもちろんのこと私有地も、川や海の環境を育む場所です。しいては、人口密集地の環境を守ってくれています。そんな大事な場所を汚すことは、慎みたいものです。

平成16年9月5日 みやざき悠久の森づくり県民の集い 向陵の丘(西都市)
 第55回全国植樹祭後催事業としてはじまった「みやざき悠久の森づくり県民の集い」で、圖師会長(ロキシーヒル)と前原さん(水源の森づくりをすすめる市民の会)の実践活動発表

平成16年5月30日 第3回通常総会

 今後の6月に、通常総会と研修を開催すること、加盟団体が会費を負担すること等が決定しました。
 研修として山之口町の「どんぐ1000年の森をつくる会」が、7年前に植樹をした国有林を見学をしました。アラカシやヤマザクラ等が5m以上の森になっていました。


平成16年1月20日、2月12日、2月13日 役員会(第2回臨時総会)
 本年は、「悠久の森づくりボランティア全国大会」を主催するための活動でした。これからの協議会活動として、森づくり活動を実践している加盟団体の相互協力や情報交換、研修等を実施するための話し合いが行われ、通常総会開催時期や役員の任期、会費額等を規定した規約の改正等、今後の協議会体制が検討されました。桜宴會が協議会に新規加入しました。

平成15年9月13日、14日
 第55回全国植樹祭プレイベント「悠久の森づくりボランティア全国大会」
 「悠久の森づくりボランティア全国大会」の記録は、こちらから。

平成15年5月〜悠久の森づくりボランティア全国大会前日
 運営委員会を組織し、悠久の森づくりボランティア全国大会の企画運営を圖師会長が中心となって関係機関・団体、宮崎県環境森林部、宮崎県緑化推進機構と連絡調整をとりながら準備を進める。行政とは、かなり凌ぎあいがあったようです。

平成15年3月15日 役員会にて

 協議会が、「悠久の森づくりボランティア全国大会」の主催者になることの意思確認がされました。

平成15年1月23日 協議会設立検討会(設立総会)
 平成16年4月に宮崎県で開催される第55回全国植樹祭プレイベントとして、平成15年9月に開催する「悠久の森づくりボランティア全国大会」を行政ではなく民間レベルで実施する構想で、みやざき森づくりボランティア協議会が13団体で発足しました。会長に、ロキシーヒル大酋長の圖師哲雄さんが就任しました。
※発足当時の加盟団体 NPO法人みやざき子ども文化センター、木崎島山地区有林管理会、水源の森づくりをすすめる市民の会、田園クラブ、どんぐり1000年の森をつくる会、にわとこの会、延岡アースディ実行委員、日向市ふるさとの自然を守る会、宮崎グリーンヘルパーの会、高千穂森の会、ロキシー・ヒル、わくすず・千年樹の会、子ども劇場親子劇場連絡会