救急救命法講習会
 宮崎視察報告 文責:二宮信

 9月16日(日)の午後1時より講習会を開催しました。講習内容などをお知らせします。

 今回の講習会は会員15名、講師2名(日本赤十字社宮崎県支部)で宮崎市高岡交流プラザにて開催しました。参加者のうち女性3名、男性12名でした。講師の畑島良一さんと鈴木良一さんの懇切丁寧な指導を受けて参加者も十分に実践できたのではないかと思います。
 先ず、体位交換の方法を教えていただきました。力のない人でも体を効率的に使って、安定した体位をとるように指導されました。この時に忘れがちになるかなと思ったことは、転倒の場合に脊髄の損傷があるかもしれないので、頭と首のラインをしっかりと支えて体位を変えることです。単純に仰向けにしたりは絶対にしないように心がけようと思いました。
 次に毛布を使った保温の方法を学びました。森の中ではなかなか毛布などはないと思いますが、他のものでも保温になるものがあれば利用できると思います。
 毛布だけを使った担架の作り方、そして傷病者の運び方も全員でやってみました。一枚の毛布を6人で持ち、必ずリーダーを決めてそれに従い運ぶことを教えていただきました。抱える際に頭から少し上げて全体を上げていくことや進行方向は必ず足の向いた方向でなければならないなど、傷病者の安全に気をくばりながらやることが大事だと感じました。6人の力があれば大人の男性でもあまり力を使わずに運ぶことができたようでした。
 毛布がない場合の搬送もありました。衣類と棒が2本あれば何枚か使って担架ができるのです。すごいと思ったのはシャツなどを使用する場合に服を着たまま2本の棒の先を握り、握ったままでシャツを誰かに脱がせてもらうと袖に棒が簡単に入っていきました。この方法を繰り返して丈夫な担架になるそうです。
 担架のない場合は、僅かな移動であれば、おんぶをする方法があるそうです。傷病者の腕をクロスさせてしっかりと握ることで安定します。また、リュックなどがあればそれも利用できることを教えてもらいました。

 気道異物除去の方法も学びました。
 立ってやる場合は、相手の体を後ろから支えて、背中をたたく方法。また、幼児の場合の方法を人形を使って説明していただきました。この方法でも出ない場合にはみぞおちに拳を当てて瞬間的に突き上げるという方法があるそうです。今回は研修でしたので、本当に突き上げることはしませんでしたが、これをした場合は後で医師に診てもらうことが必要だということです。内臓は大事ですのでその際は忘れないようにしてください。

 AEDを使った一時救命処理を人形とダミーのAEDを使って行いました。
 先ずは自分の安全を確認して、傷病者に近づくことが大事ということです。安全を確保したら、全体を見て出血の有無を確認します。それから本人の反応を確認します。反応がない場合は、周囲の状況によりますが、人のいる場所なら応援を呼びかけます。そして明確にAEDを持ってくる人、119番に通報する人、時間を計る人、など指示をします。その間に呼吸を確認しています。ない場合と不規則な呼吸か、普通の呼吸ではない感じなどの場合は胸骨圧迫を30回、気道確保して人工呼吸を2回(短く息を入れる)行い、AEDの到着するまで繰り返します。
 AEDが到着しても慌てずに衣服を脱がして(または切る=AEDのキットいハサミが入っているそうです)、汗や異物がついていないか、さらにペースメーカーをしている方かなどを確認してAEDを作動させます。
 あとは音声に従って、繰り返し心肺蘇生を行います。この時に行う胸骨圧迫は結構力がいり、長時間を一人で行うのは大変だと思いました。交代しながらやることがいいと言われていました。
 救急隊が来るまで行いますが、意識が戻ってもAEDは装着したままで引き渡すということです。
 実際に現場に立ち会うことはあまり無いほうがいいのですが、もしもの場合には積極的に救急活動に協力しようと思います。

 最後に三角巾を使った傷の手当についてを学びました。
 三角巾は通常一辺の長さが1メートル以上の四角形を対角線で切ったものと考えれば、いろいろな素材の布でも利用できます。
 今回は、先ず三角巾の折り方を学びました。2つ折り、4つ折り、8つ折りというように傷の範囲によって折り方を変えていけるのが特徴です。
 足首の固定、頭の傷の止血、手のひらの傷場合などを学びました。
 基本的には結び方が本結びという方法を使い、一方向を引っ張るとすぐに解けるような方法です。これがなかなか難しいことでした。

 みなさん今回の研修では、実地に体を使って学んだことで大変役に立つ研修だったと思ったことでしょう。いざという時のために何度も実地に研修することは大事だと感じたものでした。

 協力していただきました講師の先生ありがとうございました。また、忙しい中を研修に参加されたみなさんありがとうございました。


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